七夕ですね💕

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七夕ですね💕

おはようございます。うみです。 昨日は沢山のお祝いメッセージありがとうございます。 やる気がチャージされましたので、今日は沢山書けそうです🤗 あいにくの曇り空ですが、今日は七夕🎋ですね。 七夕と言えば……私のお気に入りの話が『深海』の15スター特典の中にあります。https://estar.jp/extra_novels/25546912 6424edd2-6167-4130-9ce4-c44dbd1b0db5 そちらを、今日は特別にエッセイで公開します。 掲載にあたり全面的に加筆修正しました。(スター特典の方は、元のままおいておきます) 1話読み切りですが、ネタバレになるので、知りたくない方は下まで飛ばしてくださいね。ふたりが結ばれた後の後日談です。 🌟🌟🌟🌟 『雨の七夕』🎋  僕がKaiと共同経営で起ち上げたソウル市内のプチホテル。  表向きは住み込みのスタッフという名目で、その一室で共に暮らすようになって、あっという間に三カ月が経っていた。まさかあの日……ツアー客の春子さんに推されて購入した季節外れの向日葵の花束が、僕たちをプロポーズまで一気に事を運ぶとは思っていなかった。  でもあれは、いいきっかけになった。  風呂上がりの僕を抱きしめ、kaiが「一緒に暮らさないか」と言ってくれた時には、思わず涙がぶわっと溢れてしまった。  長年……翔と同棲まがいのことをしていた男なのに、宝物のように優しく僕を抱きしめながら甘く囁いてくれるなんて、勿体ないし……申し訳ないというマイナスの気持ちが一瞬過ったが……  幸せになりたいと思った。  君と共に人生を歩みたいと願った。 **** 「ふぅ……せっかくの七夕なのに……雨なんて残念だな」  窓の外は激しい雨だ。  夜の雨は僕を少しだけ落ち込ませてしまう。風呂上りにパジャマ姿で雨があたる窓ガラスに触れながら、暗いため息をついてしまった。  窓を静かに伝い落ちていく雨の雫に、かつて流した冷たい涙を思い出してしまうんだ。翔と別れて、一人で泣き腫らした日々のことを……  あの頃の僕にとって、雨の日は特に辛かった。  僕の悲しみが天から溢れ出したような気分で鬱々とし……嗚咽をあげても雨がかき消してくれるので、仕事から戻った部屋で、声をあげて蹲って泣いていた。  もう遠い昔の過去なのに、雨が悲しい記憶を呼び覚ましてしまう。もうこれ以上悲しい思い出に浸りたくなくて窓辺から離れようとすると、背後に優しい気配がした。 「優也、お待たせ」  風呂上がりのKaiが、窓辺に佇む僕に近づいて、訝しげに首を傾げた。いつまでも返事をしないのを不審に思ったのか、もう一度声をかけられた。 「優也、どうした?」 「あっ……ごめん、なんでもないよ」 「なんでもないは嘘だな。優也の悪い癖がまた出ている」 「そんなことは……」  kaiには何故だか僕が考えていることが、すぐに分かってしまう。 「また昔のこと考えていたのか。俺が優也の過去を全く気にしないと言ったら嘘になる。でも過去はどうあがいても変わらない。それよりも……今とその先のことを見つめてくれよ。俺が傍にいるんだから」    優しく濡れた髪を梳かれる。  「うっ……ごめん。僕は相変わらずだ」 「そんな所も優也らしいけどね。そうだ、いいことを教えてあげるよ」 「うん?」 「今日は七月七日だから、日本では七夕だろう」 「うん……それは僕も気付いていたよ」 「ふっ……どうせ優也は雨で残念だと嘆いていたのだろう?」 「えっ」 「やっぱり図星だな」  kaiは本当に勘がよいと心の中で感心しながら、素直に頷いた。 「やっぱりな。優也は韓国でこの先俺と暮らすのだから、こっちの文化も知っておいて欲しい」 「うん、そのつもりだよ。よかったら教えてくれる?」 「韓国では七夕を칠석(チルソク)と言うんだ。ここでは七夕は昔から『恋人達の日』なんだよ。知っていた?」 「恋人の日? バレンタインデーみたいだね」 「だな。だから……まさに俺と優也のための日なんだよ」  Kaiが白い歯を見せて、明るく笑ってくれる。 「そうなんだ。そう言われると嬉しいね。でもせっかくの七夕なのに雨ではやっぱり残念だよ」 「え……なんで雨じゃダメなんだ?」 「だって……日本では七夕の日に雨が降ると、星が隠れて二人が会えないと考えられているから、皆がっかりするんだ」 「なんだ……それで沈んでいたのか」 「去年は美しい星空が見えたのに」  Kaiがギュッと抱きしめてくれる。風呂上がりの温もりが心地良い。 「馬鹿だな。早く教えてやればよかった。こっちでは七夕の日に雨が降ると『二人が再会を喜んで流した涙』と考えるんだよ。もし明日も雨が降ったら今度は『別れを惜しむ涙』と解釈するんだ。だから雨も悪くないだろう。お人好しで謙虚な優也が流す涙は、澄んでいて綺麗だ」 「僕の涙が綺麗?」 「あぁ、美しいよ」  翔への嫉妬で溢れ、憎しみで溢れ流したこともあるのに……僕の涙を綺麗だと……君は言ってくれるのか。 「俺たちは직녀성(チクニョソン 織女星)と彦星は견우성(キョヌソン 牽牛星)のように1年に一度しか会えないわけじゃないだろう。こうやって一緒に暮らして毎日抱き合えるようになった。天気なんて関係なく会えるようになっている」 「うん、その通りだよ」 「それだけでも恵まれているのに、更に今日は雨なんて、嬉しいよ。恋人が愛を誓うのには、雨の七夕の日が最高だからさ。さぁもう涙を拭いて」 「あっ」  kaiの一言一言は思いやりに富んでいて、僕はいつだってその言葉に、心を癒されている。  雨の音が、一層激しくなってきた。 「いい音だ。恋人が激しくむつみ合う声をかき消してくれるよ。さぁベッドにいこう」 「kai……」 「今夜は沢山抱いていいか。いっぱい啼かせるから、いい声を聴かせてくれ」  そんなことをストレートに言ってのけ屈託なく笑うkaiは、やっぱり雨より晴れが似合う明るい人だと思った。  雨のような僕は、いつだって君を眩しく見上げるよ。そしてそんな君が好きだなと、しみじみと思う七夕の夜だった。 「ほらっ、早く! 明日になってしまうだろう」 「わっ……待って、落ち着いて!」  急かされるように白いシーツに飛び込んだ。  僕とkaiはこの先もずっと、ふたりでこの地で生きていく。  どんな嵐も雨もKaiと一緒なら、しのいでいける。  すべての経験は無駄ではなかった。  失敗も後悔も……うまく行かなかったことも、理解してもらえなかったことも……悔しくて悲しくて虚しくて……ひとりで泣いた日も、どれも無駄ではなかった。何故なら……僕は全てを経た上で、Kaiと出逢えたのだから。  こんな僕を好きだといってくれるKaiが、好きだ。  僕も、もっと自分を好きになろう。好きになっていきたい。  深海の底から僕を見つけてくれた、Kaiと共に生きて行くために。  七夕の夜によせて……僕からもありったけの愛を贈るよ。 「ありがとう。Kai……愛してる」 「優也、俺も同じだけ愛している。俺たちは同等なんだよ。いつも、いつも……だから安心して」 「うん……深く抱いて……欲しい」 「お望みのままに」                              了   🌟🌟🌟 いかがでしたか。異国の🎋も情緒がありますよね。 さて、今年も何か七夕のお話を書き下ろしたくなりました。 先日いろいろ『重なる月』をお休みのうちにやりたいことをあげた中に、『今も初恋、この先も初恋』https://estar.jp/novels/25931194の後日談と書いたので、今日はあの二人で初々しい七夕のSSを書きたいと思います💕 ce49ec00-9ce3-4043-85f0-78ec15ea0508 今から書くので、後ほどUPしますね。 →無事に書き上げました。夜の7時7分に公開しますね🌟 七夕の夜に甘い一時をどうぞ🎋 今日もよい1日でありますように🍀 追伸……メンバーが追加されましたので更新します 9810293f-de89-455e-8de9-7098d2e193e9
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