小話⑤『もう一人の瑞樹』

1/1
前へ
/1351ページ
次へ

小話⑤『もう一人の瑞樹』

おはようございます。うみです。 土日ずっと家にいてのんびり出来ました。 気になっていた指先も曲がっているのは治りませんが、痛みが引いてほっとしています。サポーターとかして負担かけないようにしようと思います。 創作アンケート現在21名の方がご回答下さっています。 お名前入力し忘れた場合は、エッセイからお知らせくださいね。 **** 牛すじカレーつくりました💕 お鍋いっぱいです。 白ごはん.comというサイトの牛すじカレーのレシピ 絶品でしたよ。オススメです! https://www.sirogohan.com/recipe/gcurry/ 偶然見つけたサイトなんですが、すごく見やすいし味が好み。 7e4ce35a-8472-4400-8054-b88f16cffccb すっごく美味しくて、八人前を四人でペロリと食べちゃいましたよー もっと食べたくて、おでん用に冷凍した牛すじで作ってしまいました。 私はカレー好きです。 bf5e2b69-3dab-4265-813c-2d45e4985290 **** 2月に旅行に行って来ます。 今回はJALの『どこかにマイル』https://www.jal.co.jp/jp/ja/jmb/dokokani/ を利用します。 なんと往復一人6000マイルでどこかに行けるのです。 私がルーレットで選んだ候補地はこの4つ! どこになるかは運任せ。 『徳島』 『広島』 『岡山』 『熊本』 申し込むと2~3日で行き先と便名が決定するので、明日にはわかるはず。 またお知らせしますね。 ドキドキ、ワクワク! さぁ小話の続きです。 ウォーミングアップ兼ねて気軽に書いています。 小話⑤『もう一人の瑞樹』 **** 「流兄さん、迎えに来てくれてありがとう」 「なぁに、可愛い弟のためなら、えんやこら~さ!」 「えんや……こら?」 「知らないのか」 「……えぇ」 「重いものとかを、皆で力を入れて運んだり動かしたりする時のかけ声さ」 「なるほど、皆で……っていうのが、いいですね」 「ひとりじゃ出来ないことも、皆で解決さ! もう一人の瑞樹ちゃんを捕まえに行くぞ」  運転しながら鼻歌交じりに「えんやこら~ どっこいしょ」と歌う流兄さんは飄々として相変わらずだ。でも俺はこんな流兄さんとの関係が好きで寛げる。 「もうすぐ着くぞ」 「あ、丈の車だ。遅かったんだな」 「そうだな」  月影寺に二台の車が同時に入っていく。 「洋か、横浜は楽しかったか。流兄さん、ありがとうございます」 「いや、楽しかったぜ。瑞樹くんにも会えたし。あっ……内緒だったか」 「いえ、大丈夫ですよ」  丈が目を細める。 「奇遇だな、私は昨日、宗吾に会ったよ」 「え?」  丈が少し真面目な顔になった。 「実は彼……少し深刻そうでな。ただ専門外のことなので、今日は調べ物をしていたんだ」  丈は重そうな医学書を脇に抱えていた。  俺は流さんと顔を見合わせてしまった。 「丈……宗吾さん、どこか悪いのか。お前がそんなことするなんて珍しい」 「それが随分真剣に悩んでていて……『嗅覚過敏症』かもしれなくてな」  嗅覚過敏症? それって、もしかして…… 「アイツ、丈にまで相談していたのか」 「ん? どういう意味だ?」  丈は至って真面目に受け取って、こんなに調べて……本当に、お前はいい奴だ。 「あ、いや……その」 「丈ちゃんよ。きっと数日後には『治った~』と喜び勇んで言ってくると思うぜ。宗吾はそんなにヤワじゃない」 「……ですが、少し変なので心配なんですよ」 「まぁ変は変だが……」  俺も流兄さんもどう伝えていいのか迷った。 「まぁ自然と治るのが一番ですよ。おそらく何かストレスを抱えているのだから、それが解決したら、流兄さんの言う通り、あっけらかんとした顔で『治ったぞ』って言ってきそうですね。それが一番いい」 「丈ちゃんはいい子だな。よしよし、きっとすぐそうなるから、そう思い詰めるな」 「妙に優しいですね」 「ははっ」  その後、庫裡で流さんと二人きりになった。 「流兄さん、やっぱり宗吾さんには制裁を下しましょう。俺の丈をあんなに悩ませて……あまりに真剣だったから、本当のこと、言うに言えなかったじゃなですか」 「確かにそうだな。香水ごときに惑わされて、宗吾の奴」  と言いつつ流さんも『俺のすーちゃん♡』と、匂い袋に頬ずりしているのだから、またじどっとした目つきで睨んでしまった。でも本当に翠さんがいるみたいで、よく出来た香りではあるな。 「おぉ! 洋のその目、しびれるな~ どうだ? すーちゃんの出来は、最高だろ!」 「……」 「……流? さっきから一体何を馬鹿なことを言っているんだ?」  え! いつの間にか庫裡に翠さんがいた。    あれ……少し機嫌が悪そうだ。 「す、翠‼‼ いつの間に来たんだ? 俺が翠の気配を感じないなんて……俺も嗅覚異常なのか」 「流は『俺のすーちゃん』に夢中だったからね。生身の僕より……すーちゃんがいいんだ。そうなんだ……ふーん……」    いやいや、俺も気付かなかった。  匂いに惑わされたのは、宗吾さんだけじゃないのか。  流さんも俺も同じだと思うと、なんだか可笑しくなって声に出して笑ってしまった。 「くくっ」 「洋は余裕だな~」 「え?」 「『もう一人の洋』も作ってやろうか、丈はどうなるかな」 「丈は揺らがない。丈はゴッドハンドだし、嗅覚も研ぎ澄まされているし!」  思わず叫んでいた!  続く~🎵  今日もよい1日でありますように🍀
/1351ページ

最初のコメントを投稿しよう!

825人が本棚に入れています
本棚に追加