小話⑫『もう一人の瑞樹』

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小話⑫『もう一人の瑞樹』

おはようございます。うみです。 今日は冷えそうですね。暖かくしてお出かけ下さいね。 さて創作アンケートにご協力ありがとうございます。 なんと最終的に61名もの方にご回答いただけました。 貴重なお時間を割いて下さって、ありがとうございます。 毎日更新していると、時に展開に悩んだり枯渇してしまうので、助かります。プリントアウトして『アイデア帳』(私の創作には、プロットはないのですが、アイデア帳はあります)貼らせて下さい💕今後、アイデアをアレンジしつつお借りすることもあるかもしれません。どうかご了承ください。 さて結果発表です! どの作品にも、満遍なく票をいただけて嬉しいです。 28e1b6b3-9dad-4fd0-b2ab-d770c228a50d そしてコメントが、こんなにも沢山集まりました。 これは、ものすごく嬉しいです😭やる気が出ます! 明日からゆっくりお返事させて下さいね。 90f19fcb-31d4-43f2-8530-42eac2075fc7 気になる抽選ですが、今日はお名前の確認をさせてくださいね。 こちらにお名前が掲載されている方が対象になります。(敬称略) cd2407bc-78ee-4578-b9ca-5066b190e596 また『名無しさん』でお名前入れ忘れてしまい、既に申告があった方。 【ゆーちさん、まぁさん、ももりんちゃん、くろすけさん、にゃまみさん】 他にもいらしたら、この本日中にこのエッセイのリプ欄から教えて下さい。 まだ大丈夫ですので……あと私のミスで漏れていたら、すぐに教えてくださいね。 今の所、35名の方が抽選権をお持ちです💕 この子達のお迎え、どなたになるかしら? 楽しみです。 0f58642f-c275-4e49-b7ff-e442b4a9740f 抽選は明日を予定しています💕 では小話の続きを 小話⑫『もう一人の瑞樹』 ****  なんとか下半身を落ち着かせ、作務衣姿で本堂に入った。 「おぉ、着替えたか」 「あぁ、宜しく頼む」 「よし、まずご本尊様に合掌してから座ってくれ」 「了解」  瑞樹と一緒に呼吸を揃えて着座しようとすると、また声をかけられらた。 「おっと、こうやって座るんだ。『結跏趺坐(けっかふざ)』といって、あぐらをかいて手は力を抜いて膝の外側に垂らせ。座禅において姿勢は鍵だ。姿勢が体を整え、最適な呼吸を可能とするからな」 「おぅ」 「手の位置は、こうだ」  右手を左の足の上に乗せて、その上に左の手を乗せ……ややっこしいな。あとは両手の親指を軽く合わせるのか。なるほど、なかなかそれらしくなってきたぞ。  気が引き締まる。  流の真似をして手を組んで、目を閉じる。 「鼻で呼吸するんだ。宗吾は特に鼻息に注意しろ」  はっ鼻息! ぶっ、ヤバイ、それは厳重注意だ。 「さぁ住職の入堂だ」  ちらっと見ると、黒地の道服に紫紺の袈裟を身につけた翠さんが入って来た。  相変わらず、美しい人だな。    こんなに綺麗なお坊さんはお目にかかったことがない。   楚々とした雰囲気、凜と張り詰めた横顔。  肩に担いでいる棒!  あっ、あれで叩かれるのか。  たしか警策というんだったよな。  これは、ふざけている場合じゃないな。  背筋をピンと伸ばした。  鐘が3回鳴り、いよいよ坐禅が始まる。  無になれ!  無になるんだー!  そう必死に思うのに、隣に座っている瑞樹から芳しい花の香りが届くと、ふわふわした心地になってしまう。  口元がニヤリと緩むと、見逃してもらえるはずもなく、翠さんがススッとやってきた。  ヤバイ、見つかったか。  まず肩に軽く棒で触れるので流に事前に習った通り合掌し、頭を軽く左に傾けた。  すると「ビシッ!」と、結構な音で叩かれた。  隣に座る瑞樹が、その音に驚いたようだ。 「そ、宗吾さん! 大丈夫ですか」 「瑞樹、しーっだ。これは座禅の一環だ」 「あ、すみません。そうか……座禅だった」  警策を受けた後は合掌し、おじきをして元の姿勢に戻る。    うん、分かってきたぞ。  しかし瑞樹は可愛いなぁ。  こんな音にも驚いたのか。  俺の身体の心配をしてくれて嬉しいよ。  だが、そんな心配は無用だ。  さっきも俺の息子はピンピンしてただろ?(←ヤメロー!)  またムクムクと煩悩が蘇る。  あれ? いま振り払ったばかりなのに。    するとまた翠さんがやってくる。  そして肩をビシッと叩かれる。  そんなことを繰り返した。  翠さんの方が疲れそうだぞ?  おいおい、俺ばかり集中攻撃か~  瑞樹は、どうなってる?  無事か~  横目で見ると、なんだか頬を上気させてるぞ? ***  まずい……宗吾さんの肌着なんて着たからだ。  宗吾さんの匂いに包まれているようで、全然集中できないよ。  この匂い……宗吾さんに抱かれている時に彼から強く感じるものだ。  って……あぁぁ、僕まで煩悩にまみれていく。  翠さん……助けてください。  縋るように見つめると、翠さんがすっとやってきて、軽く肩を叩いてくれた。  いやいや、そんなんじゃ、宗吾さんのシツコイ煩悩は出て行きませんよ!  もっと強く叩いてくださーい!  流さんは何をしているのかな?  ちらっと横目で見ると…… ****  はぁー 俺の翠が棒を持って研ぎ澄ました顔で、宗吾の肩を叩きまくってる。  カッコいいー  翠、綺麗だ。  翠、最高だ!  ぼんぼんぼんのうが座禅中というのに、じゃんじゃか行進してくるようだ。  そこで翠と目が合う。  (流、お前がそんな調子だなんてだらしがないよ。示しがつかない)    と、言っているようだが、ムキになる顔も可愛くてたまらん~  にへらと笑うと、翠が飛んで来て、肩を叩かれた。  はー 俺ってMっ気があんのかー  しびれるぞ。 続く~🎵  エッセイが777頁でしたよ。  今日もよい1日でありますように🍀🍀🍀  しかし小話……書いていて楽しいです😆  ぽかぽかな気分になっていただけたら嬉しいです!    
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