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小話⑬『もう一人の瑞樹』
おはようございます。うみです。
昨日は寒かったですね~☃
東京は夜、風が台風のようで家族が震え上がって帰宅しました。
夜ご飯は鱈の味噌キムチチゲにしましたよ。
韓国料理は身体が温まっていいですね!
全国的に雪が降った地域も多かったですね。
どうか足下にお気を付けくださいね。
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アンケート結果
7位は「全く新しい作品が読んでみたいです!」でした。
![5f4f4191-1922-45ff-a3f1-c74bbe703596](https://img.estar.jp/public/user_upload/5f4f4191-1922-45ff-a3f1-c74bbe703596.png?width=800&format=jpg)
➯わぁ、なんだかこれはこれで嬉しいリクエストですね。
シリーズ長編が圧倒的に多いですが、全く新しい話を考えるのも
楽しいですよね。新しい読者さまにも喜ばれるかも。
➯旅した地方のメンズ💕良いですね。
私はずっと東京育ちなんですが、東京の男の子が地方で働くことになって、地方の男の子の出会い・その地方の子は地元産業に従事しているのとかいいですね。広島もしっかり取材してきます。愛媛も良かったし💕朝から妄想膨らみましたよ。
さて、小話の時間です😆
もう14話も書いているのですね。
気ままに書ける小話スタイルも好きです^^
読んで下さる読者さまに感謝です💕
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「おやぶん、でもくまちゃん、びしょびしょで、かぜひいちゃうよ」
「だな! ちゃんと乾かしてやろう」
「うん!」
見渡すと脱衣場の壁には、外国製の有名なドライヤーや上等そうな白いバスローブなどがかかっていた。
流さん、贅を凝らしているな。
「芽生坊、これ羽織ってろ」
父さんのバスローブを羽織らせやると、何もかも丈が長く可愛かった。
「おやぶんもかぜひいちゃうよ」
「なぁに、大丈夫さ」
さすがに流さんのはまずいよな。
腰にタオルをサッと巻いて、芽生坊の黒髪にドライヤーをかけてやった。
「すごい風ー くまちゃんにもあてて」
「あぁ」
くまにもブォーンと大風量の風をあてる。
すると何か焦げ茶の紐が出て来た。
「ん? なんだ?」
「おやぶん、こぶんがたしかめます!」
芽生坊がその紐をグイグイ引っ張ると、ヤバイ!
「待て!」
「あれれ? くまちゃんのお口、なくなっちゃった」
ゴシゴシ洗いすぎて、口元の刺繍がほつれたのか。
それを引っ張ったから、口が……なくなった!
「わーん、どうしよう! くまちゃんのお顔、もっとこわいことになっちゃったよー」
「……参ったな。オレ、縫い物は無理だ」
途方に暮れていると、中庭で洋さんが猫と戯れているのが見えた。
「よし! ヘルプを求めるぞ」
「あい! オヤブン」
洋さんはオレたちに気付くと、驚いた顔をして、辺りをキョロキョロ見回していた。
「いいから、こっち来てくれよ」
「ど、どうして、ここに? って、芽生くん、こんにちは」
「よーくん、こんにちは! あのね、ぼんぼんぼんのうをおいはらっていたのー」
「ははっ、煩悩のことか」
芽生坊はオレより年上の洋さんなら、この非常事態をなんとかしてくれると信じているらしい。だが、オレは最初から洋さんを通して、丈さんに頼むつもりだった。
芽生坊は、口のなくなったクマのぬいぐるみを見せて、必死だ。
「ようくん、ようくん、たすけて」
「ど、どうしたんだ?」
「お口、なおしてぇ」
「え? 俺?」
事情を話すと、洋さんは興味深そうな顔を浮かべた。
「いやいや、丈さんがいたら……是非にってことで」
「……丈はいないよ。だが流さんの工房に針と糸があるのは知っている」
うわわ、悪戯な笑顔を浮かべているな。
「だから、俺が縫ってやる」
「わーい!」
「ええええ!」
オレと芽生坊で反応が分かれた。
「よーくん、よろしくおねがいします」
「可愛いな、薙くんの弟みたいだな」
洋さんがくまを抱いてフフンと鼻歌を歌いながら、離れの工房に消えていった。
一抹の不安だけが残る。
洋さんの不器用さは、料理で実証済みだよな。
あの世にも不気味なハンバーグ、忘れられない。
まずい、まずいことになった!
父さんと同レベル、それ以上に不器用な洋さんに縫い物なんて、到底無理だ。
丈さんにしばかれる。
真っ青になって慌てて服を着て工房に入ると、洋さんが格闘していた。
「ううーん、薙くん、縫うのって難しいな」
「ひ、ひぇっ」
さっきまでちょっとだけ悪そうなくまさんだったのに、ジグサグの口で、もっと悪そうなくまさんになっていた。
「……いっそ、筆で描くか」
「いやいや、それは……ちょっと……」
芽生坊が不安そうに、ことの経緯を見守っている。
ううう、この事態を収拾できるのは、流さんしかいないだろ。
「だ……だいじょうぶかなぁ」
「あ! そうだ! 芽生坊、座禅場に行こう! このくまの顔も、そこでいい子になるらしい」
「そっかー、だから、もっとわるそうなお顔になったんだね」
しーん
うわわ、沈黙が怖い。
洋さんの顔をおそるおそる見ると、笑いを堪えているようだった。
洋さんも寛大になったよな。
「それがいい! さぁ行っておいで」
「うん!」
俺たちは妙にふわふわに毛並みが整っているが、悪そうな顔のくまを抱いて、座禅場に向かった。
するといつもは静まりかえっている部屋から、ビシバシッと痛そうな音がひっきりなしに聞こえてきた。
ハァハァと肩で息をするような荒い息づかいも。
「あのぉ……父さん、入ってもいい?」
声を掛けると、すぐに汗まみれの父さんが出て来た。
「薙っ、どうした?」
続く~♫
今日もよい1日でありますように💓
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