小話⑭『もう一人の瑞樹』

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小話⑭『もう一人の瑞樹』

おはようございます💕うみです。 昨日は月1で通っているお料理教室の日でした。 今回はなんと「利休饅頭(温泉饅頭)」を作りましたよ。 黒糖と重曹を入れて作った皮で餡を包み蒸すだけなので、意外と簡単💕 51cffe68-44ef-4073-9900-b4b5847300f9 湯気が立ったお饅頭は、視覚的にも、ときめきますね。 ほかほかで美味しかったですよ。 4e10f159-9eb5-4f4a-9549-a2000cb5f007 先生のお宅です。 b0d4e79a-9356-4a5a-8d22-acb6f1b6c7fc 焼き印まで、素晴らしい。 89805bad-3f63-4f25-aae1-d22b02b18361 18個もお持ち帰り出来たので、もちろん こもりんも大喜び! 「ひゃあー これは僕の大好きな利休饅頭さんでは! ようこそ~」 7f39d1db-08b9-4aa6-89d8-af1b4665677d 「かんのくーん、見て下さい! 新年早々夢が叶いました。お饅頭の敷き布団ですよ~! 」 「よ、よかったな!」 「コホン♡ かんのくーんも一緒にいかがですか」 「お、俺は……つ、ついに……ふっ、風太を食べてもいいのか」 「はい♡ じゃあ、僕はお饅頭を食べますね」 「え?」 「え?」 fc6be002-9965-4861-9010-238aa667697e この二人の恋の行方 どうなるのでしょうね?🤗 さて小話の続きをどうぞ 小話⑭『もう一人の瑞樹』 **** 「芽生坊、そのバスローブは汚すなよ。オレが流さんにしばかれる!」 「でも、おおきいからむずかしいよぅ。おやぶんたすけてー」 「じゃあ、おんぶしてやるよ」 「わーい!」  腰にタオルを巻き付けたまましゃがむと、流石に洋さんに止められた。 「な、薙くんも何か着ないと! 誰が見ているか分からないし」 「じゃあ何か服を探してきてくれない? 俺たち服のままシャワー浴びちゃったから」 「わわ、だから脱衣場がビショビショなのか」 「後でちゃんと掃除するよ。まずはクマが先だ」 「分かった。ちょっと待ってて」  洋さんが離れを物色して持って来たのは、緑色のジャージだった。 「これはどう?」 「……高校のジャージ?」 「みたいだね。ここに『張矢翠』って名前が書いてあるから、翠さんのみたいだ」 「どうして、こんなものが今更ここにあるのか」 「……さ、さぁ、だが……少なくともお父さんのお古なら安全さ」 「確かに!」  洋さんのオススメならばと、緑のジャージを着てみるとジャストサイズだった。  オレは芽生坊をおんぶして座禅場に向かった。  長い廊下で芽生坊を降ろしてやると、バスローブを引きずりながらトコトコ走って行く様子が可愛かった。 **** (翠、息が荒れてるぞ) (だ、誰のせいだと思って?)  さっきから、心の中で翠と対話している。  翠は頬を上気させ額に汗を浮かべ苦しげな表情で、困惑したようにふるふると首を横に振った。  その仕草にズキュンときた。  俺に組み敷かれた翠の艶っぽい表情と重なって見えたんだ。  まさに深く穿った時に、顎をカクンと反らして見せる艶めいた表情じゃねーか!感じているクセに最初は素直になれない翠は、いつもこんな苦しげな表情をを浮かべる。それが俺をますます煽ることになるのに。  ニョキ……ニョキ、ニョキ! (な、何の音だ?) (ははっ、煩悩の芽が芽吹く季節のようだ~) (ふ、ふざけたことを!)  ビシッ――  そこに薙の声が響いた。  うはっ! ここに来る? **** 「薙の声? 芽生くんの子守りを頼んでいたのに、何事だ?」  焦って襖を開けると、とんでもない光景を見た。  白いオバケと  恐ろしい形相の般若クマ  ジャージ妖怪  いやいや違う。  白いバスローブ姿の芽生くんと  芽生くんの持っていたぬいぐるみと  緑のジャージを着た薙だ。 「ど、どうしたんだ? その格好は一体」 「それが、いろいろあってさ。まっ、詳しいことは後で。今、座禅中なんだよね。父さんに、このクマもお祓いをして欲しくて」 「え?」  ポスッと胸元に押しつけられたクマは、ふさふさの毛並み、凜々しい眉、強い視線…… 「だが、く……口が変だ……」  芽生くんが背伸びして慌ててクマの口を塞いだ。 「えっとぉ、お口がとっても悪そうになっちゃったので、ぼんぼんぼんのうで、なおしてください!」 「ええっと……」  まずいな。このクマから、どうしてあの香りがこんなにするんだ?   僕らが身体を重ねた後に必ず使う、ボディソープの香りとそっくりだ。  流に穿た後、抱えられるように風呂に連れて行かれると……内股に注がれたものがどろりと流れ落ちていく。流の逞しい腕に支えられ、ゴツゴツと節張った指で掻き出される。あの生温い感触を思い出して、真っ赤になってしまった。 「父さん、顔が真っ赤だよ?」 「翠、大丈夫か」 「翠さん?」 「翠さん、しっかりして下さい」  僕は住職の勤めを忘れて、その場に膝をついてしまった。  僕自身がこんなに煩悩に塗れているのでは……君たちの煩悩を追い払うことなんて、到底出来ないよ。 「芽生くん、どうかこの棒で、僕たちの肩を叩いてくれないか、薙、手伝ってあげて」 「父さん、大丈夫か」 「僕らには、子供達の清らかな力が必要なんだ! 頼む」 続く~🎵 翠が崩れちゃいましたね😆 今日もよい1日でありますように🍀    
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