小話⑱『もう一人の瑞樹』

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小話⑱『もう一人の瑞樹』

おはようございます。うみです。 いよいよ今日は同人誌原稿の締め切り最終日。 本編の最終推敲をして仕上げていきます。 頑張りますね! 早速ですが、アンケート結果の続きです。 2位は『重なる月』でした。 09fa3677-2fee-4c86-bf8d-8bbe62ac464d 44票もいただきました! f3ce679a-281f-498a-a41a-752f05d9f59d 年末に表紙をリニューアルした効果でしょうか、沢山の票が集まり嬉しいです。 ほしふるほたるさんの描いて下さった麗しい表紙を再掲しますね。 美しい月明かりを浴びて重なる二人が本当に素敵です! d578aecb-45c2-4083-9fb9-2aa858d7eb2b 『重なる月』 https://estar.jp/novels/25539945 あらすじ 改訂版、スパダリ医師×不遇な美青年の現代物 遠い昔から繋がる二人は月明かりに照らされ、今出逢った。 誰もが振り返るほど美しく、それでいて消えてしまいそうな儚げな青年、洋と、突然会社の手違いで同居することになった丈。お互いが歩み寄りお互いを知る度に少しずつ解き明かされていくのは、二人が出会った本当の理由。甘く切ない月明りのような繊細な恋物語をスケールの大きな長編。 現在1443話 『幸せな存在』と並ぶ私の代表作で、処女作でもあります。今年で連載7年目に突入です。現在、春先まで休載予定なので、一気読みなどもオススメではあります😅すごい文字数、読了時間になっていますが、主人公がどんどん成長していく大河ドラマなので、よろしければ。 沢山のコメントをいただいています。 なんと21件も! 1日4-5件ずつ丁寧にお返事させて下さいね。 f8444c2d-2012-4dff-9476-96dfb1f3ed7e ➯何度も何度も、輪廻転生を繰り返してきた二人が、現世でようやく平穏な時を迎えています。この先も彼等は永遠に一緒がいいですよね。永遠に巡り逢えるのかもしれませんね。もうあんな劇は二度と起きません。 ➯丈の診療所、お待たせしています。表紙は由比ヶ浜の洋館、診療所のイメージで描いていただきました。再開した時は診療所の話をしっかり書く予定です。薙の高校生活編も『今も初恋』みたいに書いていきたいな。翠との親子関係もですね! ➯由比ヶ浜での開業、そこ気になりますよね。春先から書きたいです。男性介護士さん、技師さんの研究もありがとうございます。よい情報があったらぜひ! ➯お寺ならではの四季を感じる話、今後も定期的に書いていきたいです。お花見や野点などもいいですよね。 ➯幸せな存在とのクロスオーバーも、これからも定期的にしたいです。リクエストありがとうございます。 続いて、小話の続きもどうぞ 小話⑱『もう一人の瑞樹』 **** 「すいりんよ、さっさと俺たちの煩悩を成敗しろ」 「合点承知いたしました~」  大切な警策も、小森が持つと何故か江ノ島の土産屋のプラスチックの刀に見えるのは何故だ?   それにしても洋の大切な猫を手なずけるとは抜かりないな。もしかしてこの『月影寺』は既に小森の謎の支配下に置かれているのか。このままでは『あんこ寺』になってしまうのではと、一抹の不安が過る。 「流さん、また邪念を抱いておられますね! あんこは正義の味方です!」 「おっ、お前は、あんこパンマンか!」  いっくんが騒いでいたアニメのヒーローを思い出したぞ。 「いいえ、今はその名ではなく『すいりん』です」  コホンと咳払いをして、翠の声色の真似までしている。  おいおい、まだそれを名乗るか。 「こ、小森くん、そろそろ次のお客さんが見えるから、早く警策をしておくれ」 「住職さま~ 分かりました! あのせっかくなので僕には皆さんの弱点が見えるので、そこをご指摘しても宜しいでしょうか」 「そんなのが見えるの? うん、いいよ。君の好きにしてごらん」  出たー! 翠の兄さんモード!  寛大で寛容な翠よ……それを小森にも発動するとは。 「えー では、コホン、まず、末席のくまちゃんからいきますよ」  小森がピタリと警策をくまの口に手をあてる。 「この子は、お口が弱いですねぇ」  そりゃそうだ。今、口ないし。 「そして隣の坊や、芽生くんは」 「ぼ、ぼくも?」 「いえいえ君には邪気がないので、大丈夫ですよ」 「よかった~」  続いて洋に近づいて、手先にそっと警策をあてた。 「洋さんは、手先に問題が」 「くくっ 当たりだよ!」  洋は可笑しそうに笑っていた。  不器用なのは自分でも認めているからな。  まぁ、洋が楽しそうで、良かった。  それから薙の番だ。 「薙くんは、ここです」 「頭! ヤバイ、赤点取ったのバレてるのか」 「えっ、薙……赤点って?」  くくくっ、まぁ薙はあまり勉強が得意じゃないよな。  俺に似ちまったのか。  笑いを堪えていると、翠に注意された。 「流、少し姿勢が乱れているよ」 「おぅ!」  なんだよー さっきまでの汗だくで色っぽかったのに、すっかり取り澄ました顔になっちまったのか。  あぁ、早く夜になれ。  翠を裸に剥いて腰を掴んで激しく揺さぶってやりたい。  翠の身体を、再び汗だくにしたい。  ムフフ……   ****  小森くんが一人一人の身体に警策をそっとあてて、弱点を教えてくれている。    なんだかドキドキしてきたよ。僕の弱点はどこだろう? やはり心だろうか。最近だいぶ強くなったと思うが、まだまだ脆い部分もあるのは認めよう。  薙くんの次に、小森くんは流さんに近づいた。  流さんの弱点はどこなのかな?  豪快で気前のいい流さんは、非の打ち所がないと思うが。 「流さんの弱点は、ズバリここです!」   小森くんは迷い無く、警策を流さんの鼻の頭にあてた。 「あ! よせ! 今、刺激を与えるな! やべっ」  ぽたり……と、畳に赤いものが落ちた。 「流……お前、また……なんで今、鼻血を出すんだ?」  翠さんは呆れ気味。  鼻血? 血気盛んな子供じゃあるまいし……  びっくりして、隣の宗吾さんを見ると目を閉じて静かに瞑想していた。  あ……宗吾さんって目を閉じると眉の凜々しさが目立って素敵だな。  カッコいい。 「お次は、宗吾さんですよぅ」 「おぅ、俺は常に『無』だ!」  それは……ちょっと……っと、誰もが苦笑していた。  このパターンでいくと、宗吾さんはどこかな?  もしかして、あそこ?   いやいや、小森くんには気付かれていないはずだ。  宗吾さん、そうそう、今は大人しく『無』になって下さいよ。  心の中で必死にそう念じた。  続く~🎵  今日もよい1日でありますように🍀
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