小話⑲『もう一人の瑞樹』

1/1
前へ
/1352ページ
次へ

小話⑲『もう一人の瑞樹』

おはようございます。うみです。 春庭の同人誌の原稿ですが、昨日ようやく脱稿出来ました。締め切りを守れて良かったです! 装丁編集をして下さる方にお渡ししたので、一度戻って来るまで、しばらく同人誌の原稿作業はお休みです。 WEBで日々気ままに書いているふんわりとした物語を、小説として縦書きにする作業は大変でした。今回は特に……😅改行を詰める所から始まり、短い文章をくっつけて長くし、それでいて物語の盛り上がりは維持してと頭を使います。 今回の同人誌にちなんだアイテムを先着特典にお付けしたいので、今日から楽しく考えていこうと思います。今回のテーマは桜・春・初恋です。春らしい同人誌に仕上げていきますね。 さて気になる小話の続きをどうぞ💕 かなり気ままにふわふわ書いていますが。 小話⑲『もう一人の瑞樹』 ****  次は宗吾さんだ。  どうか、どうか……あそこじゃありませんように!  僕は必死に祈った。  公衆の面前で鼻の下を伸ばしていることがバレたら……あぁぁ恥ずかしい。  『鼻の下を伸ばす」=スケベ💕   という図式が、僕の脳内で、ぐるぐる駆け巡っている。  すいりんは宗吾さんの前で、必死に見えない何かと戦っているようだった。 「んー これは手強いですねぇ」 「フフフ、だから俺は無敵だと言ったろう」  宗吾さんが目を閉じたまま、口角を上げる。  無敵? 無じゃなかったのですか。  ますます分からない人だな。 「んー でも……何かを隠しているような? 強い無のパワーにガードされていて、とても近寄れませんよぅ」  この発言に、みんなが驚愕する。  特に流さんが大騒ぎだ。  鼻に丸めたテッィシュをつめて「ズルいぞー! すいりん、目を覚ませ」と叫ぶ始末だ。    で、思いっきり翠さんに叱られている。 「流、はしたいないよ。鼻血という既成事実があるのに」 「ぶほっ!」 「ちょっ、なんで、また鼻血を垂らすんだ?」 「その言い方……なんか……エロい!」  わ! 禁句出た!  ビシッ――  すかさず、すいりんの一撃を浴びた。 「イテテ、容赦ないな、すいりんめ!」 「ソレはこの場で禁句ですよぅ」 「そのジャージそろそろ脱げよ」 「ダメです! ぼくは猫ちゃんに認められたりっぱな『すいりん』ですよ」  そこに、翠さんが仲裁にはいる。 「と、とにかく、すいりん、あとは瑞樹くんだけだから、終わらせてしまおう」  いよいよ、僕なのか!  もうこの騒動のどさくさに紛れて、飛ばしてくれてもよかったのに……  覚悟を決めて、姿勢を正して、そっと目を閉じた。 「瑞樹ぃ~ ファイト、緊張している顔も可愛いなぁ」  僕は緊張しているのに、宗吾さんが呑気な声を出す。  チラっと見ると、やっぱり鼻の下を伸ばしている!  も、もう、それ、早くしまっておいてくださいよ!  と、心の中で叫んでいると、すいりんの明るい声が座禅場に響いた。 「見えました! 瑞樹くんは、ここがとっても弱いみたいです」    皆の注目を浴びる。  すいりんが警策を構え、スッと差し出した。  心……  っと、思ったのに、僕の鼻の下をツンツンと押されて、絶句!!!! 「伸びてません?」 「伸びてません!」 続く~🎵 😂お気の毒な瑞樹ちゃんでした。 脱稿の喜びでヘンなテンションで書いてしまいました。 今日もよい1日でありますように🍀
/1352ページ

最初のコメントを投稿しよう!

825人が本棚に入れています
本棚に追加