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小話⑲『もう一人の瑞樹』
おはようございます。うみです。
春庭の同人誌の原稿ですが、昨日ようやく脱稿出来ました。締め切りを守れて良かったです!
装丁編集をして下さる方にお渡ししたので、一度戻って来るまで、しばらく同人誌の原稿作業はお休みです。
WEBで日々気ままに書いているふんわりとした物語を、小説として縦書きにする作業は大変でした。今回は特に……😅改行を詰める所から始まり、短い文章をくっつけて長くし、それでいて物語の盛り上がりは維持してと頭を使います。
今回の同人誌にちなんだアイテムを先着特典にお付けしたいので、今日から楽しく考えていこうと思います。今回のテーマは桜・春・初恋です。春らしい同人誌に仕上げていきますね。
さて気になる小話の続きをどうぞ💕
かなり気ままにふわふわ書いていますが。
小話⑲『もう一人の瑞樹』
****
次は宗吾さんだ。
どうか、どうか……あそこじゃありませんように!
僕は必死に祈った。
公衆の面前で鼻の下を伸ばしていることがバレたら……あぁぁ恥ずかしい。
『鼻の下を伸ばす」=スケベ💕
という図式が、僕の脳内で、ぐるぐる駆け巡っている。
すいりんは宗吾さんの前で、必死に見えない何かと戦っているようだった。
「んー これは手強いですねぇ」
「フフフ、だから俺は無敵だと言ったろう」
宗吾さんが目を閉じたまま、口角を上げる。
無敵? 無じゃなかったのですか。
ますます分からない人だな。
「んー でも……何かを隠しているような? 強い無のパワーにガードされていて、とても近寄れませんよぅ」
この発言に、みんなが驚愕する。
特に流さんが大騒ぎだ。
鼻に丸めたテッィシュをつめて「ズルいぞー! すいりん、目を覚ませ」と叫ぶ始末だ。
で、思いっきり翠さんに叱られている。
「流、はしたいないよ。鼻血という既成事実があるのに」
「ぶほっ!」
「ちょっ、なんで、また鼻血を垂らすんだ?」
「その言い方……なんか……エロい!」
わ! 禁句出た!
ビシッ――
すかさず、すいりんの一撃を浴びた。
「イテテ、容赦ないな、すいりんめ!」
「ソレはこの場で禁句ですよぅ」
「そのジャージそろそろ脱げよ」
「ダメです! ぼくは猫ちゃんに認められたりっぱな『すいりん』ですよ」
そこに、翠さんが仲裁にはいる。
「と、とにかく、すいりん、あとは瑞樹くんだけだから、終わらせてしまおう」
いよいよ、僕なのか!
もうこの騒動のどさくさに紛れて、飛ばしてくれてもよかったのに……
覚悟を決めて、姿勢を正して、そっと目を閉じた。
「瑞樹ぃ~ ファイト、緊張している顔も可愛いなぁ」
僕は緊張しているのに、宗吾さんが呑気な声を出す。
チラっと見ると、やっぱり鼻の下を伸ばしている!
も、もう、それ、早くしまっておいてくださいよ!
と、心の中で叫んでいると、すいりんの明るい声が座禅場に響いた。
「見えました! 瑞樹くんは、ここがとっても弱いみたいです」
皆の注目を浴びる。
すいりんが警策を構え、スッと差し出した。
心……
っと、思ったのに、僕の鼻の下をツンツンと押されて、絶句!!!!
「伸びてません?」
「伸びてません!」
続く~🎵
😂お気の毒な瑞樹ちゃんでした。
脱稿の喜びでヘンなテンションで書いてしまいました。
今日もよい1日でありますように🍀
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