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小話㉒『もう一人の瑞樹』
本日2回目の更新になります。
まずは『重なる月』コメントの続きです。
本当に沢山のコメントをありがとうございます。
……
➯丈はまだまだ暴き甲斐ありますよね😆ゴッドハンドの丈の、人間味溢れる部分、洋に冷たくあしらわれるの🤩私も見たいので、書きたいです!
➯安志と涼編、リクエスト多くて嬉しいです。実は私もそこに注目した構想を練っていたところです。二人の話は、少しじっくり書きたいと思っています。
➯わぁ~ 涼へのクリエストが多くて嬉しいです! これは早い段階で書きたいですね!
➯丈と洋の診療所は、過去との邂逅の場になるかもと私も考えていました。あぁ、いいですね~ 重なる月らしい話ですね! 月を彩り完成させていくという素敵な表現にうっとりです。
➯この世界観が好きとのお言葉。ありがたいです。ありがとうございます。まだまだ続けていきます!
➯丈のクリニックオープンですよね! まずはそこから書きたいです。
➯登場人物がみんな好きと言って下さって本当に嬉しいです。丈と洋は少し分かり難いキャラなので、そう言って下さって嬉しいです😭
『重なる月』再開までもう暫くお待ち下さい🌟
まだまだ、書いていきたい、私の中でも大切な作品です。
これからもどうぞ宜しくお願いします。
では小話も最終話です。
小話㉒『もう一人の瑞樹』
****
『丈! 至急来てくれ。急患だ!』
洋からの連絡が入ったのは、ちょうどサポートしているホスピスからの帰宅途中だった。驚いてスマホを確認すると、メッセージには続きがあった。
『といっても、患者はかなりユニークだ』
『どういうことだ?』
聞き返すと、すぐに返信があった。
『今、滝沢ファミリーと合流して座禅場で楽しんでる。……丈がいないと、俺がつまらないんだ。だから早く来いよ」
ふっ、洋は相変わらず不器用で、そこが愛おしい。
同時に、今、洋も賑やかな場にいることが嬉しかった。
私も洋も、兄さんほど明るくないし、滝沢さんたちのように爽やかでもない……だが、ずっと二人で完結してきた私たちも、今生ではもっと人と交わり、人らしく行きたいと願っているのだ。
そんなことを考えながら座禅場に入ると……
翠兄さんのお古の緑のジャージを着た猿がキーキーと棒を振り回して暴れていた。
……ように見えた。
よく見ると寺の小坊主、小森くんじゃないか。
あの翠兄さんのジャージは、確か流兄さんの『翠兄さん思い出コレクション』の一着だったはずだが、よく許されたな。
感心して眺めていると、ちらちらと見え隠れする黒い物に心を掴まれた。
これは、医者として黙っていられない。
専門外とはいえども、明らかな所見だ!
理由は明確!
「これは確かに急患だな。あの分じゃ、既に神経まで……ズキズキ痛んでいるはずだ」
小森くんに指摘すると、べそをかかれた。
「おい、泣くな……」
私の言い方がキツかったのか。
私は相変わらず人との交流が苦手で、加減が分からない。
そこに芽生くんがニコッと微笑みながら、くまのぬいぐるみを差し出してきた。
「このこもお口がへんなんです。なおしてください、じょうせんせ!」
ムラムラ!
またもや医者の血が騒ぐ!
「貸してごらん、私がこのゴ……で、直してあげよう」
「え? なんて言ったの?」
「……」
流石に自画自賛は恥ずかしくて口籠もると、洋がやってきて妖艶な笑みを浮かべた。
「丈せんせ、是非ともゴッドハンドでお願いしますよ」
「……ふっ、洋、楽しそうだな」
「うん、面白い」
「そうか、よかったな」
私はすぐに鞄から針と糸を取り出した。
「芽生くん、どんな顔にして欲しいのか」
「その子はねぇ、パパがいないとき、お兄ちゃんがだっこするこだから、パパに似たお顔にしてあげてください」
「め……芽生くーん、それはナイショ……」
瑞樹くんが耳まで赤くして照れている。
「でもぉ、お顔は大事だよぅ」
「よし、分かった。パパに似た口元にしてやろう」
「わるそうなお顔は❌だよ!」
「了解だ」
宗吾を見ると、口を一文字に結んでいるので失笑してしまった。
おいおい、そんな顔をしても私にはバレているぞ。
宗吾がむっつり……スケ……
おっと洋が尊敬の眼差しで見てくれているのに、私は何を考えて。
ゴッドハンドを華麗に披露すると、皆、うっとりとしていた。
「どうだ!」
「え!」
「えぇ……」
「えー!」
「こりゃいい!」
宗吾さんは苦笑し、流兄さんは大爆笑していた。
薙とこもりんと芽生くんは喜んでいた。
「かわいいーですね。あれはあんこを前にしたお顔ですよ」
「悪いお顔より、こっちがいいね!」
「……なんか、腹ぺこクマだな」
翠兄さんと瑞樹くんは真っ赤だ。
「ん? どうかしましたか。ありのままの姿にしてあげただけですよ」
大きな口から、ぺろぺろと赤い舌を出すクマの顔を見て、私は満足気に微笑んだ。
「丈、よくやった! 宗吾さんの野性味がよく出ているぞ!」
「野性味……確かに……まずかったか」
「いや、流石俺の丈だ。お前のゴッドハンドは今日も健在だな!」
洋が私に労いの言葉をかけてくれる。
それだけで、私はとても満足した。
帰りの車。
くまを胸に抱いた瑞樹君は、くすぐったそうに胸元を気にして……照れ臭い顔をしていた。
宗吾さんはノリノリで運転を、芽生くんは小森くんと薙と遊び疲れて熟睡だ。
月影寺も賑やかになった。
私と洋の周りには月明かりだけでなく、明るい日差しも届くようになった。
おまけ
「瑞樹」
「あ……駄目、駄目ですってば」
その晩、宗吾さんに襲われた!
思いっきりパジャマを胸元まで捲られ、舌でペロペロ……ぺろぺろ……
「あ……んんっつ……ん」
胸の尖りをシツコク舐められた。
僕は……胸の先がムズムズして、じっとしていられなくて……
激しく悶えてしまった。
ふと横をみると、くまちゃんがご馳走を目の前にしたような顔で舌をぺろりと出していた。
「あ……っ、あっ……」
「瑞樹、いいか」
「ん、気持ちいいです。もっと……なめて……下さい」
あーあ、僕もすっかり宗吾さん化しているな。
この煩悩は、追い払うことは出来ない。
こんなに僕たちは……愛し合っているのだから。
「瑞樹、それで結局……煩悩は愛の証ってことでいいんだよな?」
「……はい、そうですね」
おしまい~🎵
****
22話にも渡り小話にお付き合いくださって、ありがとうございます。
永遠に書いていたくなりますが、他の作品も書きたいので、ここでは一旦しめますね!😆また色んな話の小話を、エッセイに掲載したいです!
今日もよい1日でありますように🍀
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