こぼれ話&カヌレ

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こぼれ話&カヌレ

おはようございます。うみです。 週末は家から一歩も出ずに、ゆっくりしましたよ~ どうも2月は毎年寒くて、お家籠もりしちゃいます。 3月になったら、お外で楽しくランチしたいです🌸 先日仕事帰りに、カヌレを買ってみました。 カヌレって、そこにあるだけでお洒落な雰囲気になりますね。 少しアンティークな感じがします。 289dbf7d-580d-4918-9a9f-7433675dd9a0 1個から可愛いラッピングをしてくれるので、テンションが上がりますね! 607d0b14-01c8-4cfe-81c7-88a5bc13b159 小さめですが、蜜蝋を使っているので、周りがカリカリでおいしかったです。 使っている材料が良いので、1個290円という価格設定も程よい感じかな? まさに、自分ご褒美にぴったり💓 f1d848b9-3bef-410a-9f3a-010d5abd008f ~こぼれ話~  アザラシって、一体どんな感触なんだろう?  未知の領域は、僕にとって本当は苦手分野なんだ。  長兄なので、何でも先にやらなくてはいけなかったのが、常に負担だった。 「翠、どうした? まだ怖いのか」  まだ臆していると、流が僕の手を掴んで、導いてくれた。 「一緒に触れようぜ」 「ありがとう」 「アザラシは寒さから身を守るために体の中にたくさんの脂肪を蓄えているんだ。だから指でツンツンすると、ぷよぷよしているぞ、ほら」  ツンツン…… 「わぁ、本当だ」 「体の表面はツルツルしていると思うだろ?」 「うん」  思い切って手の平全体でぺたっと触れてみると、意外なことに少し脂っぽくベタっとしていた。 「あれ? この感触……どこかで」    そこに飼育員がやってきて、笑いながら説明してくれた。 「案外ベトつきますよね。当水族館で一番のベタ男くんは、この『リューくん』です」 「リュー!!」  そこで腑に落ちた。  このべたつき……汗をかいた流の肌質と似ている気がしたんだ。 「この子が寝ていた所は、汚れが取れにくくて大変です。人間のように脂性の体質をもったアザラシもいるんですよ。ねっ『リューくん』」  僕の頭の中では『リュー』という名が、ぐるぐる。 「あのぉ、聞いていますか」 「あ、はい、それで?」 「この『リューくん』実はメスのアザラシにモテモテなんですよ」 「あのっ……それは、あくまでも、アザラシの世界の話ですからっ!」 「はぁ?」  しっ……しまった! 僕は何を言って……  飼育員がポカンとしていた。  僕の様子を、隣りで流がニマニマと見つめていた。  次は、もう一組の触れ合いタイムになったので、場を譲った。 「翠、さっき、アザラシに妬いてくれたのか」 「……違うから」  本当は妬いた。    そんなこと面と向かって言えるはずもなく俯いていると、あざらしと触れ合っている若い男性の声が届いた。 「俺たちも触ってみよう」 「うん……大丈夫かな」  どうやら背の低い方の青年は、僕のように臆病なようだ。 「怖くないよ」  もう一人は流みたいに力強いね。 「駿がそう言うのなら、信じられるよ」  あ……この台詞……僕と同じだ。  もしかして……?  僕は思わず振り返って、彼等の顔をまじまじと見つめてしまった。  信頼しあっている様子に、笑みが零れてしまう。  ふと目があったのでお互いに会釈した。  一期一会だ。  この出会いも大切に。 「翠、どうやら彼等も、俺たちみたいな間柄のようだな」 「うん、きっとそうだね。初々しくていいね」 「俺たちも初々しいだろう?」 「どうかな? 流は……最近、しつこいよ」 「すっ、翠~ いい子になるから、許してくれ」 「ふっ、流、善行を積むのは良いことだよ」 「だよな! じゃ、早速」  すると流がスマホを持って、彼等に近づいていった。 **** 今日もよい1日でありますように🍀
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