こぼれ話の続き

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こぼれ話の続き

 研ぎ澄ませ!  翠が今、どこにいるのか。  俺になら、分かるはずだ。  翠の些細な身動ぎを、しかと感じ取れ。  神経を集中させれば、すぐに分かった。  俺の翠が何を求め、どこにいるのか。     疾風の如く竹林を駆け抜け、俺たちのために建てた離れへ向かう。  脱衣場の引き戸を開ければ、肌色が飛び込んできた。  翠はひとり欲情していた。  同じ男だから、今の翠がどんな状態だか一目で分かる。  昂ぶるものを持て余し目元を染め……俺を待っていた。 「翠、待たせたな」 「流……流……僕……辛いんだ。お前がいないから」 「あぁ、分かってる。今、楽にしてやる」  脱衣場の壁に翠を立たせ、俺はすぐに足下にしゃがんで中心を咥えた。 「あぁ!」  雷に打たれたように翠の背がしなる。 「駄目……そんなに吸っては……駄目だ」 「どうして? こんなに美味しいのに」 「あっ……あっ……」  翠が腰を屈めて、苦しげに呻く。  その切ない声は、甘美なデザートだ。  音を立てて卑猥に吸い上げては、追い詰める。  俺の口腔内でむくむくと育つものが愛おしい。 「ん……ん……流、もう出てしまうよ。もう離して、お前が……汚れてしまう」 「馬鹿だな。これは俺にとって最高の褒美なのに」 「馬鹿っ、苦いだけだ」 「フッ、翠の口からそんな台詞を聞けるとはな」  追い込んでいく。  強弱をつけて、手でも扱きながら吸い上げると、翠が一際大きく震え、そのまま果てた。 「ああ……っ、流……流……」  感極まった翠が、泣きそうな顔で俺に縋ってくる。  俺の股間も、もうはち切れそうだ。  俺は翠を片手に抱いたまま、着ていた作務衣をむしり取って、翠を抱えあげた。 「流、どこへ」 「茶室だ」 「だ、駄目だ……まだ真っ昼間だ。客人もいるのにっ」 「この後に及んで何を言う。大丈夫だ。ここには誰もこない」 「でも……リューがいるから」 「まだリューと口に出すのか」 「んっ」  翠の口を塞ぎ、茶室に入る。  薄暗い茶室の畳に押し倒し、細い身体を抱き寄せた。  胸元を手の平でまさぐって、口づけの雨を降らす。 「あ……」  両胸の尖りを吸い上げてやると、鼻にかかった甘ったるい声が響く。 「ふっ……あ……ううっ」  剥き出しの首元や胸にも唇をあて、吸い上げていく。  駄目だ、もう止まらない。  欲情の嵐に巻き込まれていく。  翠は身体の力を抜いて、俺に全てを委ねてくれている。  だから思う存分……白い肌に、赤い花弁を散らせた。 「今日の翠は、うっとりするほど綺麗だ」 「流……僕……まだ」 「あぁ……今度は俺を埋めてやる」  翠がそろりと自分から足を開いてくれる。  綻ぶ蕾の中を指で解してやった。  こんな日が来るなんて夢のようだ。  俺はほっそりとした脚をさらに開かせて身体を折り畳み、一気に貫いた。 「ん……っ……あっ……あぁ」  身体の奥で生じているであろう疼き。    翠はもう何も隠さない。     俺の腹の下で、ひたすら淫らに可愛く悶えてくれる。  俺も腰を打ち付けるたびに、堪えきれない嬌声が上がる。  翠と超えていく。  快楽という波を……!     **** 朝からエッセイで思いっきり情事を💓書いてしまいました。 翠と流はこういう流れになりやすいですね💓 重なる月、そろそろ再開したいですよね~ こぼれ話が本編にようになってしまっています😆
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