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最初にあの音に気付いたのは一週間前の夜だったかな。夜寝ていたら部屋の外から「トン…」とかすかに聞こえた気がしたんだ。寝ぼけていたこともあって、その時は「風の音かな」としか思わなかった。
次の日、ベットの中でスマホをいじってごろごろしていたらあの音が聞こえたんだ。目が覚めていたせいで「トン…トン…」とはっきり聞こえた。音は小さいけど夜って静かだから響いていた。部屋のとなりにある外階段に何かが当たる音だと分かった。けどまぁ、風のせいだろうと思ってて気にしなかった。
その次の日。明日が休日ということでゲームに夢中になっていた。ふと気づいたときには夜中の2時になっていた。辺りはシーン…と静まりかえっている。
トン …トン …トン ……
またあの音だ…。
俺は背筋が寒くなった。これはただの足音じゃないって気づいた。
あぁ…これは階段を上がる音だ…!誰かが階段を上がってるんだ…!
俺の住んでいるアパートは2階建てで、全部で4部屋しかない。俺がいる2階の部屋の隣には誰も住んでいない。ということは…。
俺のいる部屋に近づいているんだ…。
次の日もやはりあの音がした。
トン …トン …トン …トン……
間違いない…。1段、2段、3段、4段と誰かが一日ずつ階段を上がっている。
そして昨日の夜、5段まで来た。
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