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鞄からキーホルダーを取り出した。
夕陽の残照を受けて、キラキラと輝く星飾り。
星歌の腕にも同じものが。
壊れてしまったブレスレットを、行人が修理してくれたのだ。
バイト中は外していたものの、帰宅時にはすぐに身に付けるようにしている。
「べ、べつにこの飾りがあるからって確実に異世界へ行けるって保証もないからね? 第一、姉弟そろって異世界転生ってヘンじゃない?」
「……七割方、成功するみたいな口ぶりで言うのやめてほしい」
呆れたような口調ながらも、行人も義姉の異世界ネタに対していつもの小馬鹿にした態度ではない。
「……分からなくもないよ。星歌が異世界に逃避したくなるのも。俺だって呉田騒動のときはもう胃が痛くて痛くて、別の世界に行きたいって本気で思ったもん。思わず実家に帰ったわ」
「あははっ!」
「あははじゃないし」
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