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「ぎゃあぁぁ!」
あられもない金切り声は、女性のものだ。
振り返った先、その路地で両手を掲げた若い女が片足を高く高く振り上げている──違う。
派手に滑ったのだ。
見事にすっ転んで尻もちをついた、まさにその瞬間の目撃者となった星歌の足元にコロン……と靴が哀れな様子で転がってきた。
大きめサイズの白いセーター、短めのプリーツスカート。とっさに拾った靴は学校指定のもので星歌にとっても見慣れた、つまり制服である。
そう、地面にあおむけに横たわって呆然と目を見開いているのは、星歌が昨日まで務めていた高校の生徒なのであった。
JKのいたたまれない姿に、今更ながら顔をそむけてやったのは、せめてもの親心といったところであろうか。
「す、すみま……」
女子高生の傍らから、蚊の鳴くような声があがる。
見るとクリーム色の長方形のケースを両手で抱えるように持った人物が、彼女の前で立ち尽くしている光景が。
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