239人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
──若っいなぁ。輝いてるなぁ。まさにリア充ってかんじだな。私はあのころ何してたっけな……ああ、乙女ゲーにハマりだしたころかぁ。毎日のように異世界転生を夢見てたっけ……えっ、今とあんまり変わらない?
星歌、いい年齢して若干ザンネンな自分の身の上を振り返り……途中でやめた。
気付けば、隣りに立っていたはずの義弟の姿がないではないか。
「何やってんの、行人」
「いや、その……」
見れば行人はレジカウンターに身を隠すようにして座り込んでいる。
「あ、ヤバイ。ユッキーだ」
気配を察したか、生徒のひとりがカウンターを覗き込んで嬌声をあげる。
途端、彼女たちは波のように押し寄せて行人の腕をとるや、その場に立たせて周囲を取り囲んだ。
「ユッキーもランチ?」
「なら一緒に食べよう」
店員の存在など、彼女たちの視界には入っていないようだ。
「お、義弟がオンナを侍らせている……! そしてユッキーと呼ばれている……!」
最初のコメントを投稿しよう!