はげしく揺れる

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 保護者から訴えられるかも、なんて心配していたくらいだから、彼女にどのように返事をしたものか困惑しているのかもしれない。  結局、戸惑いからくる翔太の攻撃の矛先は新参バイトに向いたようだった。 「い、いいかげんにしろよな。お前んとこの生徒、パンも買わずに大勢でいすわられちゃ迷惑なんだよ」 「わ、私の生徒じゃないし。私は関係ないし」  唇を尖らせる星歌。  しかし、もっともな理屈だ。  新装開店の狭いパン屋。 その店内で、しかも昼時に客でもない者が居座っては営業妨害と言われても仕方がない。  奥の調理スペースに通じる扉。小さく付いた窓からも、モノホン王子が心配そうにこちらを見ているではないか。  だからと言って、両手をパンパン叩いて「買わないんなら出てってちょうだい」と仕切る勇気も、星歌にはない。  要は若くて元気なJK──しかも集団──が怖いのである。  だから、彼女はズルイことを考えた。 「ねえ、大丈夫? ホッペが赤いよ?」 「えっ?」
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