エピローグ 異世界転生はあきらめます

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 例の騒動の顛末はこうである。  とりわけ美しいものが好きな美術教師・呉田。  理想の顔かたちをした美少女、石野谷ケイをぜひとも絵のモデルにしたかったらしい。  星歌が睨んだとおり天然気質のあるケイが、それを異様に深刻に受け止めたことから騒動が始まったのだ。  見事に巻き込まれた行人は、ケイの口から顛末を聞いてストーカー事案だと推察する。  生徒のプライバシーに関わることなので、できれば大事にせず解決してやろうと考えた。  呉田に付きまとうようにして説得を試みるも、話が通じる気配もなく。  その話し合いの様子に、ケイ自身が慄いてしまって星歌を呼び出したとのことで、先日の美術室の騒動となったのだ。 「いや、私はてっきりケイちゃんという美少女をめぐる男二人の争いかとばかり……」 「そんなわけないだろ……。あのあと、呉田先生に眼鏡代弁償したの俺なんだからな」 「ごめんってば。でも、メガネ捨てたのはケイちゃんで……アハハッ」  笑ってごまかそうとする星歌。  チラリと見やると、行人は心の底からというような重い溜め息を吐いている。
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