1人が本棚に入れています
本棚に追加
親友との距離感
…あ!日曜日午後2時。
そろそろ時間だ!
トゥルトゥルトゥル♪
「おーい!葉子。久しぶりね。」そう言って、友華がリモート女子会に参加してきた。
私「久しぶりー!産後、体調はどう?」
友華「長く眠れないのが、辛いかな。長くても2.3…時間ってところ。」
葉子「うわぁあ…私なら眠気を我慢出来ないよ。友華は偉いねぇ。」
友華「いやいや、そんなことないよ。皆と同じように、普通のことを普通にやってるだけ。」
普通って、なに?
普通って、誰かと結婚して子どもを育てること?そのうえ女は、今まで通り仕事もするの?
私はそんなの想像しただけで、吐き気がする。
葉子「そういえば…凛ちゃん遅いね?」
友華「いつものことでしょう。凛ちゃんはマイペースだからさ。」
噂をすればなんとやら…
プチっ!
凛「遅れてごめんねー。皿洗ってたんだ。」
皿洗いなんていつでも出来るだろうに…なんということだろう。
凛にとって私達の優先順位は、家事よりも低いのだ。
凛ちゃんは半年前に結婚した新婚さん。
マイペースな彼女が私達に黙って結婚相談所に登録し、今の旦那さんをゲットした。それは何でもお互いの事を話してきた私達にとって、青天の霹靂だった。
友華「新婚さんっ!新婚生活はどうよ?」
凛「えー!何にも特別なことなんてないよ。普通だよ、普通。」
…まただ。
私は心底普通という言葉にうんざりする気持ちとは矛盾した言葉を吐いた。
葉子「ごちそうさま。幸せが溢れ出てるよ。」
その言葉、嘘ではなかった。
凛ちゃんの表情や声は穏やかで、彼女の幸せを物語っていた。
学生時代はよく皆でワイワイとファミリーレストランで深夜まで、お互いの事をよく話したものだ。
それが今じゃ、半年に1度のリモート女子会。
…寂しい。
友華は、育児。
凛ちゃんは、新婚生活。
私は、ひとりぼっち。
最初のコメントを投稿しよう!