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家族
僕の両親の話をしよう。
僕の父さんは何でもそつなくこなす格好いい人だ。料理が得意で、基本的に家事全般は父さんの役割。
母さんも一通りできなくはないのに、父さんがやった方が早いし上手いからという理由で、家のことはほとんど任せきりだ。カメラマンだから、依頼がない限り基本的に家にいるというのも理由の一つかもしれない。
僕の母さんは冷静沈着で掴み所がない人だ。回りの人は、多くを語らないからミステリアスだと言う。僕も時々、何を考えているか分からない。でも、すごく優しくて、僕のために一生懸命働いてくれている自慢の母さんだ。
父さんには母さんが何を考えているかが、とてもよく分かるらしく、二人は目線だけで会話をしているように見える時もある。
僕の名前は水瀬 陽斗。中学1年生。兄弟はいなくて、父さんと母さんと僕の3人家族だ。
これだけ聞くと、ありきたりというわけではないけど、結構、一般的な家族の印象を受けると思う。でも、周りの人たちが僕らを見ると変だと思うらしい。
不思議そうな顔をする人、明らかに嫌そうな顔をする人、中には優しく声をかけてくれる人もいるけど、大抵は良い顔をされない。
そんなちょっと変わった僕たち家族のことを紹介させてほしい。
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