02 研究所

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「私の視界に美しいものを入れたいだけよ。つまり、命令」  九尾はにっこりと笑う。  その横で佐々はさっそくパソコンに向かいキーボードを叩き始めた。 「身体データは前回の測定でいいですか?」 「大丈夫じゃない?」 「イージーオーダーでとりあえず頼みますね」  佐々が笑うと、九尾も微笑み返す。  それから、九尾は自分の目の前に座る少女に声をかけた。 「真白(ましろ)、挨拶して。あなたのパートナーが来たわよ」  少女が立ち上がって、鷹也を振り返った。  目が合う。 「あ」  二人分の声が重なった。  あまりにびっくりして、鷹也は目を丸くした。  同じように少女も驚いて、何度も瞬きした。  この間、階段の上から落ちてきた少女に、間違いなかった。 「鷹也くん、真白ちゃんに会ったことあるの?」  佐々が小さな声で尋ねてきた。 「昨日……、たまたまですけど。駅で」  少女も驚いたのか、きょとんと目を丸めて、鷹也を見つめている。  そんな中九尾だけが軽い調子で「すごい偶然ね~」と笑う。 「面識があるなら早いわね、良かったわ~」 「面識ってほどでは……」
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