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言い負けない真白に、思わず言い合いがヒートアップしてしまう。
鷹也は真白の手を強く握った。
勿論加減をして、だ。
そして、彼女の眼前に捻り上げる。
「これを振り切れるか?」
「──ッ」
真白が痛みで顔を歪める。
咄嗟に力で弾き飛ばそうとして、ハッと目を見開いた。
「……ケース・ゼロ《能力無効化》だったもんね」
「ああ、能力は俺には効かない。純粋な力じゃ、絶対に俺に勝てないぞ」
真白が唇を噛む。
「ストップストップストップ! ふたりとも落ち着いて」
佐々が体を入れるようにして、ふたりを引き離した。
「じ、自己紹介しよ! これから一緒に働くんだし。あ、私から自己紹介するね!」
にこにこと、けれども逆らわせない雰囲気を醸し出しつつ佐々が提案する。
そして、鷹也の肩をポンと叩いた。
「彼が私たちのボスになる、坂美野市地域管理官の千代田鷹也くん。二二歳。能力検出は十五歳で、さっき所長もおっしゃったとおりケース・ゼロ。共感覚は色彩」
「……ねえ、共感覚ってどんな感じなの?」
気まずそうな顔のまま、真白は鷹也に尋ねた。
ケース・ゼロは通称だ。
鷹也は、従来の超能力と言われた、テレパシーや予知を代表とするESP、サイコキネシス──PKを持たない。
ただ、他の能力者の能力影響を受けにくい体質だった。
例えば、透視が得意なESP特化した能力者が鷹也を透視しようとしても、鷹也への透視は中々成功しない。
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