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その体質を持ったタイプの人間は『ケース・ゼロ』と呼ばれる。
そして、ケース・ゼロを確定させる条件のひとつが『他者の能力発動をひとつ以上の共感覚によって感知できる』というものだ。
「さっき、お前が能力を使った時、部屋中が白く光ってた。あんな強い光を見たことがなくて、だから、心配したんだ」
「……ふうん」
真白は視線を伏せて頷いた。
「こっちは鈴木真白ちゃん。三歳で保護されてからはこの研究棟の寮で育ったチルドレンなの。今春女子大生になったばっかりよ。よろしくね」
「よろしく」
「ああ」
「私は佐々美穂。県警から出向してきてる事務方ってのはご存知の通り。管理官付きははじめてだけど、ふたりをサポートできるように頑張るからね!」
「はい、チームの結成を祝して拍手~!」
九尾が強引に拍手を始めると、佐々が満面の笑みで、真白は無表情に続いた。
鷹也も最後に拍手をする。
(本当にうまくやっていけんのか……?)
鷹也はちらりと真白を窺った。
バチリと、真白の猫目と視線が合った。
「文句あるの?」
「そっちこそ」
お互いに思いっきり顔を背けた。
「ふふ、息ばっちりね~」
九尾の高笑いが響いた。
先行きが思いやられて、鷹也は小さく息を吐いた。
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