04 白昼の出来事

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 真白の声がする。  鷹也の後を大人しく走っていた真白は、右手を前に伸ばし少年に真っ直ぐに向けた。  声に呼応するように、微かに空気が揺れた。 「他人に迷惑をかけるのはやめてよね」  低く潜められた声。  すっと真白は、少年を止めるように手をかざした。 「真白、お前!」  咄嗟に鷹也は女性を抱きかかえるようにして身を伏せた。  真白が両手を重ねた瞬間、少年に向かって一直線に風が駆け抜けた。  轟音を伴ったその風に、地面に伏せている鷹也もじり、と動かされる。 「──ッ」  少年は悲鳴も上げることが出来ずに、その場に倒れる。  風が止む。  真白は手を下ろして、その場伸びている少年のところにゆっくりと歩み寄った。 「真白。止せ」 「気絶してるみたいだけど」  鷹也の制止を無視して、真白はつま先で少年を蹴る。  その時、少年は目をパッと見開いて真白の足を取った。 「このっ……!」  どちらの声だったかは分からない。  真白の振り上げた手は光をまとい、足に絡んだ少年の腕もぼんやりとした光が灯る。  光は圧倒的に、真白の方が強い。 「真白、やめろ! そいつ、死ぬぞ!」  ──あのまま振り下ろしたら、『モグリ』が死ぬ!  鷹也の叫びに、びくりと真白が手を止めた。 「ああ、もうっ!」  まどろっこしそうに真白が焦れた声を上げた。
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