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某日。時代はおよそ、江戸時代初期。
某場所。人目につかず、ほどよく開けた野原。
その商人はとある男に呼び出されていた。
その男は商人の仕入れた逸品の事を風の噂で知ったらしく、「是非買わせて欲しい。この日時にて商談がしたい」という文が届いたのだ。
当然ながら商人は怪しく思った。
だが逸品と呼んではいるが、その品は他の客には怪しまれる一方だった。それを風の噂で聞いた程度であっても信じ、こうして文を送ってくれたのだ。
余程の嫌がらせか、余程の物好きかの二択ではないか。であれば後者に賭けるのが商人の生きざまであろう、という訳だ。
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