第4話 本当の恐怖のはじまり

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第4話 本当の恐怖のはじまり

孝史は自分に問い詰める 美里、まさか復習じゃないよな 佐藤、自殺したんだな やっぱり俺のせいか 少なくとも美里はお前を好きだったはずだよ 俺は気づいていたんだ この前まで連絡をとりあっていたのを そういえば、1年前の同窓会の日だったな おお、佐藤 元気か ああ、元気だぞ 久しぶりだな 孝史 おお、健人 久しぶりだな 今なにやっているんだ 小さな町医者だ お前らしいな 大人しかったからな そうだったか そうだよ 頑張れよ ああ、ありがとう 懐かしかったなあ 妻の美里と連絡を取り合って 愛している妻が不倫しているかと思うと 悲しくなって俺の飲酒がはじまったんだよ それで俺はこの有り様さ 「そうだよお前のせいだよ」 佐藤 俺が悪かった 美里に恋人がいると 言って騙してたからな それで自殺したんだよな 「そうだよ」 「死んで謝罪しろ」 さて、また追いかけるか はははは 逃げろ 逃げるがいい なんとか逃げ切った そうだ 先生に相談してみようか 先生、実はこういうことがあったのですが やはり幻覚、幻聴は続くのでしょうか いえ、以前説明したとおり断酒ができたら そういうことは考えにくいです まだ、少し飲んでいるんじゃないですか いえ それでは幻覚や幻聴は考えにくいですが さきほども申し上げたとおり全くないとは言い切れませんが 幻覚、幻聴はあったとしてもわずかですね じゃあ、今までの幻聴、幻覚ではなかったのか はははは、やっと気づいたか そうよ、孝史さん 逃げろ どこに逃げればいい とにかく、俺はどこを走っているかもわからないくらい逃げた どうされましいたか 冷や汗がかなり出ていますよ 私の母の家に泊まっていかれたらどうですか そこには美しい女性がいた よろしいでしょうか どうぞ、狭くて汚い部屋ですが ああ、いらっしゃい 夜分遅く申し訳ありません お母さん、何か事情があるみたいで居場所を探していたみたいです ああ、かまわないよ 全く、気にしなくていいからね 眠れないのではないですか そうですね それでは寝酒を少し飲まれたらどうですか ほんの少しだけ飲むのが効果的ですよ 今から持ってまいります 飲んだら駄目だ元の俺に戻ってしまう これは、叔父からもらった日本酒です かなり珍しく美味しいみたいです おちょこに少し 俺はどうすべきか ほんの少しの量だぞ いや駄目だ 元の俺に戻ってします でもほんの少しなら せっかくなので頂きます まだ名乗っていませんでしたが 孝志といいます 美沙といいます
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