第1話 飲酒

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第1話 飲酒

おい、お前酒買ってこい あんたも先生から飲むなといわれているでしょ いいから、買ってこい 駄目よ この野郎 暴力は止めて ここまでは記憶がある   気づいたら留置所の中にいた おい、奥さんが被害届を取り下げたから 帰っていいぞ はい 島村保健所です 奥様から最近お酒を飲みすぎているとの相談を受けて様子を見にまいりました 帰れ 話をしましょう 帰れ まず病院に行きましょう 警察の方からも連絡が来てます この状態がつづけば、強制的に入院になりなすよ どこの病院にだ まずは近くの病院に受診しましょう 病院にて お酒を飲んでからこちらに来られたですね まだ、お昼ですよ 俺は飲んでいない いえ、お酒の匂いがかなりします 入院じゃなくてもいいですから 通院をしましょう どなたか親戚の人で連れて行ってくれる方はいらっしゃいますか いえ 先生、俺が運転すればいいだろう だから、あなたは飲酒しているんです 仕方ないですね ここから1時間程度の距離にアルコール専門の病院がありますから そこで受診しましょう 紹介状を書いておきますので渡されてください 保健所職員の内村君、宮下君ふたりで送迎してください はい 山下病院にて 紹介状か 「重度のアルコール依存症のため入院が適切と思われる」 宮地さん、これ以上飲んだらいけないですよ はい 先生、少ししか飲んでません どのくらいですか 2日で一升瓶が無くなるくらいです それはかなり多いですね 食事はきちんと取れていますか まあ、酒が食事だな しばらく入院しましょう なんだと 入院治療しましょう 俺はなんともない いえ、これ以上飲むと肝臓が悪くなりますし 幻覚や幻聴がありますよ 俺は、そこまでないぞ いえ、そうなります 田辺君、ベッドは開いているかね 空いています 3ヶ月程度の我慢です 入院しましょう 癌になったりしてからは遅いですよ 癌になるのか なる可能性は極めて高いです わかった 俺の本当の恐怖はここから始まった
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