''男''

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「辛いと思うけど大切な事だから、もう1度確認したい事があるんだ」 男の人はしゃがんでわたしに目線を合わせながら質問をしてくる。 「男が光る物を手にしたまま玄関から出て行った事は足跡から確認が取れてるんだけど…もう1つ、とても大切な事を聞くよ。 その男の顔は見たかな?」 ゆっくりとした口調で問いかける。 わたしが(ううん、チャイムが鳴ってお母さんが出たら突然男の人がお母さんに抱きついて…そしたらお母さんが倒れちゃった) その事しか覚えてないから顔はわからないの… 泣きながらさっきと同じ事を伝えると 「そうか…男の顔は覚えてないのか」とわたしの頭を撫でながら、辛いのによく頑張った。 犯人は必ず捕まえるからな。と言ってくれた。 また涙が溢れてくるとここに婦警さんが呼ぶから少し待っててねとわたしに伝えて外へ向かった。 男は「あの子はこの''光る物''しか覚えてない、足跡ぐらい俺がどうにでも出来るな」 そう言いながらポケットをトントンと叩きながら静かに笑った。
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