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『ヨォッッ!!
一人で海見て黄昏てんじゃねぇよ!』
どこか懐かしい声。
振り返ると、そこには優しい瞳の男が立っていた。
拓海…
驚きすぎて声も出ない。
自然と涙が溢れ出した。
もう二度と会えないと思ってたのに…
拓海…
『一人で黄昏ていたのに~グシュン。あぁ、もう邪魔しないでよ、拓海。グシュン。』
強がる口調だが次々と涙が溢れ止まらなくなっていた。
ぽろぽろと溢れ落ちる涙。
『おまえ、相変わらず泣き虫な。』
頭を撫でながら笑い言う彼もまた、大きな瞳にうっすらと涙が滲んでいた。
罪を償い、父親が優勝出来なかったサーフィンの大会に出場する為、ここハワイに来ていたのだ。
二人は時間を忘れ、砂浜で楽しい会話が弾む。
昔と変わらない優しい拓海…
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