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「・・・っはぁ・・・あ・・・ぁ・・・っ」 ベッドの上にうつ伏せなり腰だけ高く上げられた状態で、後孔に複数の指が差し入れられている。その指が各々別の動きでオレの中を掻き回す。 「あぁっ・・・」 中の指の1本がそこをゴリっと擦りあげた時、突き抜ける快感が体の中を走り抜けた。 もう何分こんな状態なのか。いや、何十分? もう何も考えられないくらい頭の中はドロドロに溶け、ただただイキたい衝動だけがオレの中に蠢いている。でもイケない。 「・・・もう・・・許し・・・て・・・」 小刻みに震える体を止めることが出来ず、切れ切れに訴えるもその返事はない。代わりに中の指が一際深くまで打ち込まれる。 「うっ・・・ん・・・っ」 背を仰け反らせてイケない衝動に耐えるオレの耳元で、息だけで笑うのを感じた。きっととても意地の悪い顔をしているのだろう。でも、オレには見えない。目隠しをされているのだ。それだけでは無い。両手は頭の上で一括りにされ、オレの限界まで勃ち上がったそれは根元をきつく縛られ、イケないようになっていた。 何故こんなことになったのか。それは、オレが逃げたからだ。 和真さんに抱き潰されてから2週間後の金曜日。その前の週にも捕まって潰されたオレは今度こそ平穏な週末を迎えたかった。だからいつもより早めに退社して、いつもは使わないタクシーで家に帰ることにしたのだ。 タクシーから降りたところまでは順調だった。あとは家の中に入るだけ、というその時、後ろから急に抱きすくめられて鍵を持つ手を握りこまれた。 「オレから逃げようとした?」 耳元に押し付けられた口から、ゾッとするほどの低い声が聞こえた。その声の恐ろしさとぎゅっと力が込められた腕に囚われ、オレは動けなかった。 恐怖で振り向くことも出来ない。 和真さんは固まったオレの手ごと鍵を握り、ドアを解錠した。 そのままオレを後ろから抱きながら部屋に入り、再び後ろ手で鍵を閉める。 「悪い子にはお仕置きだな」 それからオレは、自分の家の狭いベッドの上で裸に剥かれ、啼かされ続けている。 口からあられもない嬌声が絶え間無く上がり、涙は覆っている布に吸われている。もう、いま自分が泣いているのかも分からない。 イクことが出来ない下肢は打ち震えながら透明な液を流し、度重なる交わりを覚えた後孔は指だけでは満足いかず別のものを求めてひくついた。 そんな浅ましい体を恥じる余裕もなく、身の内で暴れ狂う快楽に耐えるしか無かった。 過ぎる快感は最早苦痛にしかならない。 「どうして欲しい?」 視界が遮られたことによってより敏感になった感覚は、元々弱い耳元にかかる吐息だけで過剰に反応する。 「あぁ・・・っ」 馬鹿になった頭は和真さんの言葉を理解出来ない。 それに焦れたのか、後孔から指が抜かれてしまった。 「あぅ・・・っ」 「どうして欲しい?綾人」 出口のない快楽がオレの体の中で暴れる。 早く・・・早く・・・。 「・・・いれ・・・て・・・」 絞り出した言葉に再び指が入ってきた。
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