遠野 隆という男

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 テニサー  訳 テニスサークルの略称。テニスサークルとは名ばかりでテニスなど全くせずに毎晩合コンばかりの通称ヤリサーとも呼ばれる(僕の独断と偏見調べ) 「健がいきなりそんなとこ行ったって何もできずに空気になるか、イジり倒されて大恥かくかのどっちかでしょ。」 「…どういう事だよ?」 「まっ、とりあえず飲も!何飲む?」 「ウーロン茶」 「酒飲まねーの?」 「いや、飲んだ事ないし、未成年だし。」 「…んー、まぁそうなんだけどね。 そういうとこかなー。」  自分は何もおかしな事は言ってないのに妙な空気になるこの感じ。 空気が読めていないという事だったんだろうなと今なら分かる。 「んじゃ、オレも今日はウーロン茶でいいかな。」  女将さんを呼び注文する遠野。 「ウーロン茶2つと串盛り合わせで。」  注文を終え女将さんが離れたのを見計らった様子で遠野は話しだした。 「うーん、まず何から言うべきかな〜。 あー、とりあえずお前童貞だろ。」 !?!?!? こいつ…人の心が読めるのか?? もしくは探偵か何か雇っていて事前に僕の事を調べ上げていたのか? 僕は精一杯のポーカーフェイスで答えた。 「はぁ!?ちょっ、意味分かんねぇし!どっ、童貞って…ちょっ、何言ってるか分かんないわぁ…はぁもう全然!分かんないわぁ…。」 「まぁ落ち着けって。 顔真っ赤だし、目泳ぎ過ぎww。 どうせ大学デビューで脱童貞とか考えてたんだろ?」  コイツとは今日初めて会ったばかりなのになぜそこまで分かってしまうのだろう。 よく分からないが馬鹿にされてる気がする。 お前がどんなに努力して見繕っても中身は空っぽだぞと見透かされてる気がする。 何故こんな辱めを受けなければならないのだ。 もうこんなとこにはいられない。 「……帰るっっ!!」  立ち上がろうとした瞬間 「はい、ウーロン茶2つです〜。 串、もう少しお待ち下さいねぇ〜。」
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