遠野 隆という男

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言われた時間通りに駅の北口に向かうと、アイツは既に携帯を弄りながら僕の事を待ってる様子だった。 「ごめん!待った?」 「ん?おー、今来たとこだから気にすんな。 んじゃ、とりあえず行くかー。」 「あれ?他の人達は?」 「あー、先に行ってるってさ。」 約束の時間には遅れていないが、それよりも早く来て僕の事を待ってたというのが少し意外だった。 何故なら見た目が軽薄そうな感じでとても時間を守るような性格には見えなかったからだ。 人は見かけによらない物だと思っていると 「そういえばまだ名前言ってなかったな。オレは遠野 隆(とおの たかし)、お前は?」 「あぁ!里中 健!」 「ふーん、健か…よろしくな〜。」 道中他愛もない話しをしながら遠野に付いていくと、駅から少し離れた路地裏にある小さな焼き鳥屋に着いた。
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