遠野 隆という男

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(こんなとこで新入生の歓迎会?) 僕が首を傾げているのを余所に遠野は店の中に入っていく。 「いらっしゃいませ。何名様ですか?」 「2人で。」 「奥の席どうぞー。」 温かい笑顔の女将さんらしき中年女性が丁寧な対応で席に案内してくれた。 それは良いのだが店内にいる客が中年男性ばかりなのが気になったので 「あの…歓迎会って本当に場所ここなの?」 すると遠野は申し訳なさそうに 「ごめん!実はちょっとお前と2人で話してみたくて嘘ついたんだ。」 「えっ!?じゃあ歓迎会は??」 「別のとこでやってる。」 それを聞いて僕は急に全身の力が抜けていって、残念なような少しほっとしたような気持ちで放心してると 「別に健の事を嵌めようとか、そういうつもりなんじゃなくて…ちょっと今日の飲み会は健にはキツイんじゃないかなーと思ってさ。」 「どういう事?」 「やっぱ分かってなかったか。 今日はテニサーの歓迎会。 学校中のパリピが集まってる訳よ。」
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