第3話 オレンジジュース

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第3話 オレンジジュース

オレンジジュース 美鈴さん上野動物園にいってみない 少し遠くないですか 自転車で二人乗りだよ 明さん大変でしょ 大丈夫 まかせて ふたりで行くのは初めてだね そうですね、楽しみです そうだね、着いたよ 1時間もかかったよ 本当重かったでしょ ああ、途中で倒れるかと思った もう、失礼ね 冗談だよ 象をみたい ああ、人気者だもんな わあ、大きい 餌を食べてるね、本当大きい 美鈴さんより大きいよ もうどこが あちこち いやらしい 次は何かな キツネをみたい キツネはね、だますんだよ 知っています 僕も美鈴さんにだまされたかな 私がだまされたのです ハハハハ 楽しいね はい 蛇を観てみようか いや、怖いです 大丈夫だよ わかりました 大きいな ええ、こんなに大きいの 美鈴さんより大きいな もうまた、変な事考えてる ハハハハ 猿はどうですか いいね 明さんより賢いですよ こらこら、僕も頭はいいよ 本当かしら そろそろお昼にしようか お弁当をもってきています どんな、お弁当かな 上手なんですよ 本当かな、梅干しだけじゃない ちゃんといろいろ入っています おお、おいしい そうでしょう、ほらお茶も オレンジジュースがよかった お茶があうよ 今度、オレンジジュースかな はい ごちそうさま、おいしかった 美鈴さんがこんなに料理がおいしいなんて 知らなかったな そうでしょう へへ うん 僕のお嫁さんになれるかな だめです な~んだ じゃあ食べ終わったところで 何をみる キリンがみたい そうだな よし行こう 本当に首が長いなあ わあ 美鈴さんがお嫁さんになってくれるのを 首を長くしてまってるよ もう、恥ずかしい事を言わないでください 冗談ばっかり 本当に婚約者になってもらえないかな 恥ずかしいから少し考えさせえてください どうした、急に黙って うううん さっきの話は本当だよ 恥ずかしいです じゃあ、返事を待っているよ はい じゃあそろそろ自転車で帰ろうか 約束 明さん、動物園に行ってキリンの話したでしょ ああ 首を長くして そう言いましたよね キリンの首を短くしてあげる 本当 はい 私でよければ ありがとう その言葉を待っていたよ でも婚約はどうしてするのだろう 特に決まりはないと思います ただ、結婚できる年齢が決まっていますから、 その時期になって結婚ですね そうか 約束はできるはずです 私でいいですか もちろん とてもうれしいよ 結婚できるようになったら いいお嫁さんになれるかな ああ、なれるに決まっているよ でも早くないか 明さんが言い出したのじゃないですか まあ、そうだけど もう、女性に恥をかかせて あ、ごめん泣かないで 恥ずかしかっただけだよ 本当 ああ じゃあ婚約旅行に行こうか そんなのあるのですか 今、思いついた 私たち未成年よ 大丈夫さ 俺の所は親がいないし あとは美鈴さんだけかな う~ん行けるかな お母さんになんて言おうかな 友達の家に泊まるとかは そうですね、いい方法ですね どこに行きますか そうだね あまり遠いところには行けないね 乗り物にのるお金もないしな そもそも高校生だから旅館には泊まれないよね 近くでいいのではないですか 自転車で行けるところ でも新婚旅行はどうするのさ またすればいいじゃないですか そういえば私の父が舶来品でテントという中に とまれるもの持っているの 日本ではめずらしくて、そこなら泊まれますよ そうか じゃあそうしよう どこか広い広場がいいですね お弁当をもってきますよ 今度はオレンジジュースがいいな そうだ、美鈴さんと初めて出会った広場が いいじゃないかな広いし あの時は美鈴さんが財布をなくしていて いっしょに探したよね なつかしいね 溝に落としていたよね そそかしいなと思ったよ あまり意地悪を言わないで下さい 広場でテントはりましょうか 恥ずかしくないかな だいじょうぶ そうだな 旅行当日 お~い どうやって屋根を張るんだ 本当ですね 張ること2時間 こんな感じかな う~ん 傾いてるけど倒れないかな まあ、なんとかなるさ そうですね もう遅くなりましたから お弁当たべましょう もしかして本当にオレンジジュースをもってきたの だって持ってきてくださいって 確かに言ったけどさ お弁当はお茶だよ もうひどい オレンジジュースがいいというから 手作りで作ってきたのに もう食べさせてあげない ああ、ごめんごめん勘違いしていた 最近はお弁当にオレンジジュースが流行しているんだよ そうだよ、そうだよ もう今から遅い 今日はお弁当抜き ええ 許して わかりました そのかわり夜は強く抱きしめてね わかったよ でも、そんな恥ずかしいこと言うなよ 男の人がそんな情けないこと言ったら駄目ですよ そうか、仕方ない 仕方ない、それなら帰ります ああ、ごめん泣かないで へへへ嘘泣き そうかだましたなあ でも楽しいね 夜は焚火しないと暗いね もう、早くから準備してきてよ そうだね できたよ じゃあ、明さん話しましょう そうだね 思い出の場所 美鈴さん将来は何になりたいの 看護婦さんかな 美鈴さんの注射は痛そうだな 明さんには特に痛くしてあげる やめてくれよ ハハハハ 明さんは そうだな警察官かな 美鈴を逮捕するぞ ええ、私なにもしていないですよ 美鈴さんの事を好きにさせたじゃないか それは私に魅力があったからでしょ よく自分で言うよ 夢があるっていいね でも一番は美鈴さんと結婚して幸せになることかな はい いいお嫁さんになれるかな 子供は何人つくります? う~ん10人くらい 子供はかわいいからいいですけど ちゃんとお給料もってきてくれるかな、だましそう そんなことないよ へそくりとか ひどいなあ ハハハハ 浮気もしそう 今日はこわいな 美鈴さんが一番好きだよ 本当かしら わかっているくせに 私たち幸せになれるかな 美鈴さんのお父さん反対しないかな 大丈夫よ ほら、星がでてるよ 芝生の横になろうか はい 星がきれいだね 美鈴さんもきれいだよ そんな恥ずかしいこといわないで 本当だよ ありがとう 明さんも背が高くてハンサム こんな私でいいのかな もちろんさ ここは思い出の場所だね そうですね はじめて、そばでいっしょに過ごすして 良かった ここの場所は一生忘れないね はい あの星はひときわ輝いているけど ふたりの星だといいな 本当ですね そろそろ寝ようか そうね テントの中は狭いから すごく近くに 少し恥ずかしいな 明さん、強く抱きしめて どうして はずかしいの どうしたの黙っていて 私も男性のすぐ横で眠るのも初めて 次の日の朝 どうして黙っているの 狭かったから、いびきがうるさかった 朝ごはん食べよう パンをもってきたの 食べる もう黙っていないで おいしいね やっと話してくれた あの木の下で食べましょう 私は明さんがそばにいてくれただけで幸せよ だから話してね ここの木の下はいい感じだね ながめもいいし 涼しいしね 本当ね また、ここに来れるといいね そろそろ帰りましょう 夜のことは忘れてね 楽しかったよ、また来れるといいね そうそう、その元気 自転車で大変だけど帰ろうか もう少しやせないと やせないとは失礼でしょ じゃあ ほら 左右に揺らすぞ キャこわい でも、これで婚約者ね そうだね そうそう、その笑顔 明さんらしいよ ああ 着いたよ、じゃあね 自転車で着いたよ
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