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気づかれないように適度な距離をとって歩く。
もうすぐで曲がり角だ。あそこで俺はまわり道をして…
そんなことを考えていたのに、人の気配を感じたのか、楓が振り返った。
楓「あっ…、翼…。」
蓮も振り返った。
…明らかに気まずい空気。
2人からしたら、自分たちだけ幸せになってしまって…って感じなんだろう。
俺は覚悟を決めて笑顔を作った。
翼「おはよう!! 朝から2人で登校か? いや〜熱いね〜。今冬なのに、熱いな〜!」
いつも通りの明るい俺を演じる。
…いや、いつも以上に明るいかな。
楓と蓮は顔を見合わせたが、すぐに笑顔になった。
楓「あいかわらず元気ね、翼は。」
…良かった。演技だってバレてない。
ちょっとは気づいて欲しかったけど。
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