9.この片想いはツラすぎる。

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気づかれないように適度な距離をとって歩く。 もうすぐで曲がり角だ。あそこで俺はまわり道をして… そんなことを考えていたのに、人の気配を感じたのか、楓が振り返った。 楓「あっ…、翼…。」 蓮も振り返った。 …明らかに気まずい空気。 2人からしたら、自分たちだけ幸せになってしまって…って感じなんだろう。 俺は覚悟を決めて笑顔を作った。 翼「おはよう!! 朝から2人で登校か? いや〜熱いね〜。今冬なのに、熱いな〜!」 いつも通りの明るい俺を演じる。 …いや、いつも以上に明るいかな。 楓と蓮は顔を見合わせたが、すぐに笑顔になった。 楓「あいかわらず元気ね、翼は。」 …良かった。演技だってバレてない。 ちょっとは気づいて欲しかったけど。
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