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「うん。ずっと沈んでいたら彰人さんにも悪いし、旅行に行ったらきっと元気になれるよね」
「次はきっと元気な子を授かるよ」
彰人さんの言葉に頷く。
早く赤ちゃんが欲しい。
その為にも、私が元気にならなければと思い、笑顔を心掛けた。夫婦仲が良いのが1番と、週末は2人で出かけて、楽しい時を過ごした。
それなのに、流産から半年が過ぎても妊娠しない。
元々私は生理不順だったから、きちんと基礎体温を測り、妊娠可能日だと予想した日には彰人さんになるべく早く帰ってきてもらっていた。
生理不順といっても、生理が25日目にきたり、30日目にきたりするだけで、毎月生理はある。
生理予定日になると、そわそわして生理が来ない事を祈ったけど、毎回生理がきてショックを受ける。そんな事を繰り返していた。
そんな時、義母から電話があった。
「ひかりさん、不妊治療に通ったらどうかしら。ひかりさんは31才でしょ。年を取ればとるほど妊娠し難くなるって聞くわ。それに、彰人からひかりさんは生理不順だと聞いたわよ」
彰人さんが、義母にそんな事まで話していたなんて。
義母に不妊治療を勧められた事より、彰人さんが生理不順の事を話していた事の方がショックだった。
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