48人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
両親と義両親には、妊娠がわかってすぐに報告してしまった。
両親も義両親も喜んでくれて、幸せな気持ちになった矢先だった。
「お父さんとお母さんに報告しなくても良いよね」
彰人さんに聞くと、「言う必要はないよ。来週まで結果はわからないんだから」と言ったので報告はしてない。
その日の夜、義母から電話がかかってきた。
「ーーまだ妊娠したばかりだし、お祝いはもう少ししてからで良いよ。えっ、そうなのか、わかった。じゃ、明日」
えっ、明日?
「彰人さん、お母さんは何て?」
「明日、お祝いに外食に誘われた」
「えっ……だって」
「俺も断ったんだけど、どうしてもって言うから。とりあえず行こうよ。きっと俺達の赤ちゃんは元気に育っているって」
「そうだと良いけど……」
初めての妊娠で「胎嚢が小さい」と言われて不安でいっぱいなのに、お祝いの外食なんて行く気になれない。
義母さんき「おめでとう」と言われても、まだ素直に喜べない。
「私の体調が悪いって断ってくれたら良かったのに」
「ごめん、そう言えば良かったね」
彰人さんに当たっても仕方がないのに、つい愚痴ってしまう。
彰人さんが悲しそうな表情になった。
「私こそごめん。不安で仕方がないの」
「ひかり、絶対に大丈夫だって。俺たちの子供なんだから」
彰人さんが抱きしめてくれた。
そうだよね。先生があんな事いうから不安になっちゃったけど、赤ちゃんはお腹の中で頑張っているはず。
最初のコメントを投稿しよう!