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今日は病院に行く日だ。朝、彰人さんは「良い報告待っているから」と私のお腹に話しかけて、仕事に行った。
それからずっと頭の中は不安でいっぱいだった。
車で10分の距離に住んでいる実家の母に相談したら、母まで悩ませる事になるかもしれないと、今まで相談する事を躊躇っていた。
だけど、これ以上1人で悩むのは耐えられない。
母は午前中はスーパーの品出しの仕事をしている。11時を過ぎた今は、家に帰っているはず。
電話でしばらく世間話をした後、午後からの診察について来て欲しいと頼むと、「それは心配ね。じゃ、診察について行くわ。その前にランチを一緒に食べましょう。今から迎えに行くから」と言ってくれた。
診察は午後3時から。それまでの時間、私が1人でいるのを心配してランチに誘ってくれたのだろう。
母の優しさが嬉しい。
母が連れて行ってくれたのは個室のあるレストラン。
私がつわりであまり食欲がないと話すと、「少しだけでも食べたいものを食べた方が良いわ」と言ってくれたので、パンケーキを注文した。
ご飯ものは臭いが気になって食欲が湧かなかったけど、パンケーキは今でも美味しく食べられる。
「赤ちゃん、大丈夫かな?」
「大丈夫だと良いわね」
母は大丈夫だとは答えてくれない。その事がさらに私を不安にさせたけど、大丈夫と言われても素直に信じられない。
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