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「ごめんなさい。ごめんなさい。だめだった、赤ちゃん、だめだった……」
彰人さんに抱きしめられて、また涙が止まらなくなる。
「土曜日に手術なの。彰人さん、一緒に来てくれるよね？」
「もちろん。今回はだめだったけど、赤ちゃんはすぐに来てくれるよ。ひかり、元気を出そうな」
「うん」
彰人さんは自分も悲しいはずなのに、この日はずっと私に優しくしてくれた。
次の日、保育園で園長や同僚に初期流産の話をすると、2人の同僚が初期流産の経験があると教えてくれた。
そして、またすぐに妊娠できるよと励ましてくれた。
私だけじゃなかった。辛い思いを共有出来る人がいる事は嬉しかった。そして、園長をはじめみんなが私を気遣ってくれる。
「お義父さんやお義母さんに話さないといけないよね？」
家に帰り、夕食を食べている時に、彰人さんに聞く。
食事会をしてもらった後で、流産の話をしないといけないのが苦しい。
「手術が終わって、ひかりが元気になった頃に俺から電話をしておくから。ひかりは心配しなくていいよ」
彰人さんは義母の性格を良く知っている。手術が終わってすぐに連絡をすれば、義母は私を心配して我が家にやって来るだろう。
悪気はない事はわかっていても、自分が辛い時に義母に気を遣うの避けたい。
彰人さんの気遣いが嬉しかった。
「ありがとう」
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