episode 17

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episode 17

「佐那、ただいま」 「おかえりなさい」 「これ、開けてみて」 「え?」 この紙袋は・・・R&Mだ。 開けてみると、薄紫色のワンピースだった。 「かわいい」 「この前の人が選んでくれた。俺もそれがいいと思った」 「ありがとう!」 「ネックレスはこれ。俺のカフスとおそろいにした。指輪もおそろいだ」 「ふふ」 「なんだ?」 「おそろいって、快かわいいね」 俺は佐那を後ろから抱きしめて首筋の薄くなった俺の物マークを復活させた。「ちょっと今・・」 「キスしかしてない」 「明日は夜まではゆっくりできるな。久しぶりにのんびり家で過ごそう」 「うん」 次の日、2人で映画を見てゴロゴロ過ごしていた。 夕方になって、お互いにパーティーモードに着替えて出かける準備をする。 「なるべく佐那の隣にいるようにするから」 「ありがとう。」 「じゃあ行くか」 ******************************** 【加奈】 「もうすぐ快に会えるわ。」 「加奈、あまり派手に動くなよ」 「分かってるわよ。」 尚人兄さんは作戦を教えてくれない。 でも私は快さえ私のものになればあとはどうでもいい。 「尚人さん。少し早くついてしまった」 「堂島か・・・」 堂島さん・・・この前私の邪魔した人。 「お兄様のお知り合いなの?」 「ああ。俺の大学の後輩だ。堂島、妹の加奈だ」 「先日、豊島さんのパーティーでお会いしましたよね」 「ええ。」 「堂島、パートナーはどうした?」 「ちょっと・・・」 「お前はいつまで1人でいる気だ。必須だっていってるのに俺のパーティー じゃなかったら失礼だぞ」 「尚人さんのパーティーなので・・・、若手経営者の交流はしたいので・・ 俺もですけど、尚人さんもそろそろ1人に絞ったほうがいいのでは? あんなに遊んでいた豊島さんもお1人に決めたみたいだったし・・・」 あーー嫌な事思い出させないでーー。 「ステキな方でしたよ。豊島さんより早く逢ってたらって一瞬思ってしまったくらいです」 「まあ!じゃあ、堂島さんが快さんのパートナーとご結婚されたら?」 「え?」 「加奈。お前がいると面倒なことになるから控室にでもいってろ」 「分かったわ。快がきたら教えてね」 【尚人】 「堂島、そんなに豊島の彼女はいい女なのか?」 「はい。会場で一番ステキだったなあ。スタイルもよかったし・・・俺たちの 周囲にいるようながっついた感じじゃないんですよ。できるなら1回くらい お願いしたいとこ。」 「相変わらずだな。お前の猫かぶりにみんな騙されてるよな。お前の願い 叶えてやろうっか?」 「え?」 「俺に協力してよ。加奈がさ豊島にぞっこんでさ、その相手をどうにかして 欲しいって俺にいうからさ、かわいい妹のために一肌脱ぐんだよ。」 「まさか、そのためのパーティー?」 「そう!」 「恐るべし、桜咲家。」 「で、どうする?いい人で終わるか?」 「・・・もし本当にできるんだったら協力しますよ」 「OK。じゃあよろしく!」 堂島の女を見る目はかなりいい。そんな堂島が絶賛する豊島の女って・・・ 会うのが楽しみだな。
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