episode 18

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episode 18

プラチナホテルに到着。 快は私をエスコートして受付をして会場に入る。 「佐那?」 私を呼ぶ声の方に目を向けると、泰司がいた。 「泰司・・・なんで・・・」 「バイト・・・」 「そうなの・・・」 泰司は私の隣にいる快に視線を送ると 「いろいろすみませんでした。佐那をお願いします。」 と頭を下げた。 「分かってる。君のしたことは許せないが、佐那への気持ちは本物だと 思っているから。」 と快は私の腰を抱いて会場に入っていった。 快の横顔は少し怒っているように見えた。 私は快の顔を見つめると快は私の言いたいことが分かったみたいで 「ごめん。終わった事なのに大人げないな」 と苦笑いをしていた。と、そこに1人の男の人がやってきた。 「これは豊島さん、久しぶり。先日はパーティーに行けなくて申し訳ない」 「桜咲さん、ご無沙汰しています。」 快は私の耳元で『今日の主催者の方だよ』と言った。 加奈さんのお兄さん。快より背が少し高くて大人っぽい感じの人だ。 「今日はその方がパートナー?」 「彼女は、僕の婚約者の柳 佐那さんといいます」 「はじめまして。柳 佐那です」 「失礼しました。桜咲尚人です。先日は加奈が失礼をしたようで 申し訳ないね」 「いえ・・」 「パートナーの方はつまらないかもしれませんが、パートナーの方も 交流していただいて楽しんでくださ・・・」 「かーいー」 そこにすごい勢いで快に抱きつく女の人。 「会いたかった」 加奈さんだ。 「加奈。やめなさい。豊島さんが困っているだろ。佐那さんにも失礼だろ」 加奈さんは快の腕に自分の腕をからませながら私を睨む。 「今日は私も経営者として来てるのよ。だから交流するの。文句ある?」 加奈さんも会社を経営されてるっていってた。 「いえ・・・」 「離してもらえる?」 快はそっと腕を外す。 「嫌。今日くらいいいでしょ?だって佐那さんはこれからずっと快といるん でしょ?快の周りには女がいっぱいいるんだからこんなことこれからも あるわよ。心が小さいって言われるわよ。」 「・・・」 加奈さんの言葉に何も言えなかった。 「加奈!いいかげんにしなさい。佐那さんすみません。」 「い・・え」 「ひとまず、経営者のみなさんとはディスカッションしたいと思って いるので、豊島さんを少しお借りしても大丈夫ですか?」 「はい」 快は私を心配そうに見つめた。 「大丈夫だよ。行ってきて。」 と私は笑顔で快を送り出した。 1人になった私は会場のビュッフェに案内された。 どうしていいのか分からず、ひとまず隅っこの椅子に座った。 「飲み物どうぞ」 「あり・・がとう」 泰司がドリンクを勧めてくれた。 「浮いてんな。佐那」 「分かってるよ。そんなの・・・」 「ごめん。そんなにへこむと思わなかった。」 「・・・仕事した方がいいんじゃないの?」 「ああ・・」 泰司は他の人にもドリンクを勧めにいった。 泰司に言われなくても分かってる。自分がここにいるのは違うって。 周りの人達はどんどん交流している。 快がいないと私ってなんにも出来ないんだと思い知らされる。 帰りたいけど帰れないし・・・・と思っていると、 「佐那さんでしたよね?」 と声をかけてくれたのは、この前のパーティーで私を助けてくれた 人だった。 「堂島さんでしたよね?」 「嬉しい、名前を憶えてくれてたんですね。」 「この前はいろいろありがとうございました。」 知ってる人がいてほっとした。 「あれ・・・打ち合わせは?」 「抜けてきました。すごい人ばかりで 僕はまだまだだと思っちゃいまして・・・」 「そうなんですね・・・」 「佐那さんは?こんな隅っこでどうしたんですか?」 「え・・と・・・人見知りで・・・」 こんな嘘すぐにバレちゃうよね。 「そうなんですね。じゃあ僕と話しましょう」 「ありがとうございます」 「コップ空っぽですね。何か取ってきますよ。何がいいですか?」 「あ・・大丈夫ですよ。」 「お酒ではないですね。ちょっとまってて」 と堂島さんは泰司ではないウエイターさんのところに飲み物を 取りに行ってくれた。 「はい。オレンジジュースで大丈夫?」 「ありがとうございます」 それから堂島さんといろいろ話をしていたら急にめまいがした。 ひとまず、トイレに行こうと思って 「すみません。お手洗いに行ってきます。」 「いってらっしゃい」 私は会場を出てトイレに向かった。トイレから出て会場に戻ろうと したときに更に強いめまいに襲われた倒れそうになった私を誰が支えて くれた。 「大丈夫?佐那さん?」 堂島さんだった。 「だいじょう・・ぶ・・・」 だんだんと意識が遠のいていった。 ************************ 【堂島】 「お薬が効いてきたかな。」 俺は、彼女を抱き上げて尚人さんの用意してくれたスイートルームに 向かった。 彼女をベットに寝かせて、尚人さんにメッセージを送る。 『獲物をGET!』 『OK俺も向かう』 しばらくして尚人さんが部屋にきた。 「まだ脱がしてないの?堂島」 「尚人さん待ちですよ。豊島さんは?」 「加奈と俺の取引先の奴らを使って引き留めてるよ」 「そうですか。」 「じゃあ始めますか!」 と尚人さんは彼女のワンピースを脱がしていく。 「お前や豊島が夢中になるのがわかるよ。見た目もいいけど、いい体してる」 彼女が下着姿になる。 本当にいい体してる。 「どうする?別々に抱くか?一緒に抱くか?時間ないから一緒にやっちゃ おうぜ!」 と尚人さんはスーツを脱いでいく。 尚人さんの体はほどよく引き締まっていて男の俺から見てもカッコイイ。 「お前も、早く脱げよ!」 「はい」 俺も急いでスーツを脱ぐ。 「豊島のやつ、首筋にキスマークつけてやがる。男避けか。あんなにやりまくってたのにな。そんなにいいんだな。楽しみだ。」 尚人さんはブラジャーのホックを外す。いい感じの大きさの胸が現れた。 そして尚人さんは胸に愛撫をしていく。 「ん・・・」 彼女から少し声が出た。 「目が覚めちゃうんじゃないですか?」 「何ビビってんだよ。」 俺は裸の彼女を目の前にして一気にボルテージがあがってしまい 夢中で彼女の胸にかぶりついた。 *********************** 【泰司】 佐那の隣に男が居座っている。誰だあいつ? まあこの会場にいるから怪しい奴ではないと思うけど・・・。 佐那が会場の外に出て行った。ちょっと足元がふらついているように見えた。 佐那の後を追いかけようとしたら、マネージャーから声をかけられて しまった。 マネージャーの用事をすませて、佐那の様子を見にいくとさっき一緒に いた男が佐那を抱き上げてエレベーターに乗った。 「佐那?」 体調でも悪くなったのか? こんな時にアイツはどこにいるんだ! ************************ 【快】 佐那は1人で大丈夫だろうか? こんな打ち合わせどうでもいいといいたいところだが、今後の事もあるから 仕方がない・・・。 1時間程して 「すみません。仕事の電話が入ったので少し失礼します」 と尚人さんが席を外した。これはよいチャンスだと思い俺も部屋から 出ようとしたら、 「快、こちら兄の会社の取引先の方なんだけど、快とお話したいそうよ」 「あーー。はい」 仕方なく話をする。なぜか隣には加奈がべったりくっついている。 さらに30分ほどして加奈にスタッフが声をかけた。 「みなさま、お兄様が時間がかかるそうなので、会場でお食事をしてく ださいってことですので会場に移動しましょう!」 と案内した。 よし! 「失礼」 俺は急いで会場に戻ったが辺りを見渡しても、佐那の姿がない。 「佐那さんいないの~ナンパされちゃって消えたんじゃない~」 「お前じゃない」 「なによー」 そこに佐那の幼馴染が来た。 「アンタ、佐那ほっといてどこいってんだよ」 「仕事の打ち合わせだ」 なんでこいつに怒られるんだ。 「佐那。体調が悪くなったんじゃないか?」 「は?」 「しばらく。スーツ着た男と一緒にいたけどそいつが寄り添って エレベーターに乗っていったみたいだから体調でもよくなくてどこかで 横にならせてもらってんじゃないのか?」 「スーツの男?」 誰だ・・・。尚人さんはいないが仕事の電話が入ったといってた。 「佐那さん、その人とイチャイチャしてるんじゃない?」 加奈が話に入ってくる。 「うるさい。加奈。スタッフに聞いてくれないか?」 「えーー。私は快と一緒にいたいから佐那さんいなくていいんだけど」 「じゃあ俺が聞いてくるからいい」 俺は加奈の手を振りほどいてフロントに行こうとすると 加奈が俺の手を掴んだ。 「分かったわよ。連れて行ってあげるから・・・」 と俺の腕に腕を絡めてエレベーターにむかった。 ***************************** 【尚人】 見た目もいい女だったけど、体もマジでいい。 意識がないまま抱くのが惜しい。 時々甘い声が漏れるで。本当に惜しい。 意識はなくても体は正直だ。俺と堂島の愛撫にどんどん濡れていく。 豊島に抱かれているのであれば、体も開発されているはずだ。 「そろそろいただくか。」 俺は彼女の中に入った。 「きついな。いい締め付けをする」 堂島は女の手を持って自分のものをしごいている。 俺は奥まで腰を打ち付けた。 「あん・・」 本当にもったいない。意識のある状態で抱きたい。 「尚人さん早くしてくださいよ。俺も入れたい」 「分かったよ」 俺はもっと味わいたかったが仕方なく彼女の体制を変えて後ろから 入れた。 「ん・・・あ・・ん」 声がどんどん出てくる。たまらない。 「もう出そうだ。さすがに中に出すわけにはいかないか・・」 と俺は彼女の背中に精を出した。 すぐに堂島が正面に戻し正常位で中に入っていく。 「うわー。遊んでない女の中ってきつくていいですね・・・」 堂島がやっているのを見ていると、加奈からメッセージが届く 『今から快と部屋にいくわ』 おもしろくなるな・・・このまま豊島が手放してくれたらいいが・・。 *************************** 【快】 「この階ってスイートじゃないのか?」 「そうよ。大事なゲストなんだから当たり前でしょ?」 加奈はカードキーをもってロックを解除する。 長い廊下を加奈と一緒に進んでいくと、声が聞こえてきた。 「あん・・・」 「あー気持ちいい。マジヤバイ」 最中か? 「部屋間違えてるんじゃないのか?」 「間違えてないわよ。さあどうぞ」 加奈が部屋の扉を開けると・・・そこには想像もしなかった場面だった 裸の佐那が堂島さんに抱かれていた。 「佐那・・・・」 「豊島くん。君の彼女いいよ。」 裸の尚人さんがたばこを吸いながら言った。 「意識がないのが残念だよ。意識のある彼女を抱きたいんだけど」 佐那は意識がないのか?薬を飲まされた? 考えがまとまらないところに 「ヤバイ。もうイク、豊島さん中にだしていい?」 現実に引き戻された。 「やめろ!」 俺は佐那の中から堂島を離して佐那に布団をかけた。 「なんだよ。もうすぐイクところなのに・・・」 「じゃあ私が手伝ってあげるわ」 と加奈が堂島を口で達してやっていた。 「アンタたち・・・。何をしてるか分かってるのか?」 「よくいうよ。お前も散々女で遊んだだろーが」 「・・・」 「そうよ。加奈の事だって抱いてくれたでしょ?」 「・・・」 「今更、真面目に恋愛とか無理でしょーよ。」 「加奈と結婚しなよ。彼女は僕がもらうから」 「ふざけるな・・」 言いあっていると・・・ 「うん・・・快?ここ・・・」 佐那が目覚めてしまった。 俺以外の3人はニヤニヤしている。 「佐那・・・」 佐那が目を覚まして起き上がった。目の前に俺と加奈と 裸の尚人と堂島がいる。 「え!なんで!堂島さん・・・裸・・・」 と自分が裸なことに気が付く。 「私・・なんで・・・」 「佐那・・・なんでもないんだ・・」 佐那は、状況が把握できていない。 「なんでもなくないよ。俺と堂島で君を抱いたんだよ。」 「え・・・・」 「意識はなくても体はいい反応してくれたよ。」 「・・・・うそ・・・」 「嘘じゃないわよ。私と快がここに来たら3人でお楽しみの最中だった わよ。ねー快」 俺たちはこいつらにはめられた。 「加奈。お2人話をした方がいいだろうから俺たちは会場に戻ろう。 主賓がいないとダメだからな」 「そうね。2人は着替えないとダメだから私が先に言っておくわ。 快、私の所に帰ってきてね」 尚人と堂島は何事もなかったように普通に着替えた。 「今日は泊って行っていいよ。」 と告げ2人で部屋を出て行った。 急に静まりかえった部屋。 「佐那・・・」 「体・・・洗いたい・・・」 「一緒にいくか?」 佐那は首を振った。シーツにくるまってシャワールームに行ってすぐに 叫び声が聞こえた。 「佐那ーどうした?」 鏡に写った佐那の体には無数のキスマークがあった。 「いやーーーーーみないでーーー」 その場にしゃがみこんでそのまま気を失ってしまった。 俺は佐那の体を拭いて脱ぎ捨てられた下着とワンピースを着せて 抱き上げて部屋を後にした。 そのまま会場には戻らず、タクシーに乗せてマンション戻った。 ワンピースを脱がし、下着を交換した。部屋着を着せてベットに寝かせた。 眠っている佐那を見ながら自分の不甲斐なさを悔やんだ。 「佐那・・ごめん・・俺のせいで・・・」 自分のやっていたことがこんな形で返ってくるなんて・・・・。 俺は佐那と一緒にいてはいけないのかもしれない。
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