episode 19

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episode 19

ここ・・・どこ・・・私・・・ 私はベットの中にいた。隣には快が眠っていた。 私・・・パーティーに行って・・・それから・・・。 「んん・・・佐那?目が覚めたか?」 「快・・・私・・・パーティーで・・・・」 (佐那は覚えてない??) 「気分が悪くなったんだよ。それで俺が連れて帰ったんだよ」 「着替えさせてくれたの?」 「そうだよ」 (ショックで記憶を??) 「佐那。心配だから病院に行こう」 「え?」 (堂島は出す前に話したが、桜咲はどうだたんだろう・・・) 「俺の友達の病院にいって一応見てもらおう」 「うん・・・」 【快】 俺は精神科医で奥さんが婦人科医をしている友達に電話をして詳細を伝えた。 「ショック過ぎて記憶にロックをかけたんじゃないかな・・・」 「・・・・」 「鍵を開けておくから裏から入っていいよ。嫁にも詳細を離しておいて 大丈夫か?」 「ああ・・・悪いな」 俺は佐那を着替えさせて、車に乗せて病院へ向かった。 着いたところが産婦人科だったので佐那は戸惑っていた? 「ここって・・・」 「産婦人科だけど内科も診てもらえるから丈夫だよ」 「・・・」 「豊島。こっちだよ」 「おう。柏木。急に悪いな。」 「気にするな。そちらが?」 「そう。佐那。俺の友達の柏木友太(かしわぎゆうた)だよ。」 「初めまして。柏木です。」 「初めまして・・・」 佐那は状況が呑み込めてないようだ。 「じゃあこっちの部屋にきて。」 と柏木はカウンセリングルームに俺たちを案内した。 「佐那さん・・でいいかな?ベットに横になって」 「は・・い」 「豊島はそこの椅子に座って、黙ってて」 「部屋を暗くするよ・・・」 柏木はゆっくり部屋の照明を落とす。 「これをゆっくり飲んで」 佐那は言われたとおりに飲んでいる。 「ゆっくり目を閉じて・・・・ゆっくり呼吸して・・・」 佐那の瞳が閉じられて、小さな寝息が聞こえてきた。 それから柏木は昨日の事を思い出させるように声をかけていく。 急に佐那の表情が変わった。 「誰かが・・私を・・・いやーーー」 「佐那さん大丈夫・・・ゆっくり呼吸して・・ゆっくり・・・」 佐那がゆっくり呼吸をして再び眠りについた。 「相当、嫌なおっもいしたんだろうな・・・妊娠の可能性はあるのか?」 「分からない。」 「一応、麻衣子にアフターピルと今のうちに内診してもらっておこう」 「ああ・・」 柏木は奥さんを呼んでそのまま内診をした。 「意識のない状況で強姦するなんて・・・ヒドイ・・。念のため ピルは飲んでおいた方がいいと思う。」 「このまま・・・そっとしておいた方がいいんだろうか・・・」 「無理に思い出させないほうがいいだろうな・・・」 「俺といたばっかりに・・・こんな事になってしまった」 「豊島・・・彼女を1人したらダメだぞ。もし思い出したら 最悪の事態になってしまうかもしれない。お前の過去を悔やんでも 過ぎたことだから仕方ない。彼女との今と将来を考えろ!」 「柏木・・・」 「豊島さん、彼女のフォローは私達もするから。あなたも仕事があるから ずっと彼女といるわけにはいかないでしょ?」 「・・・親父に相談して・・・もしもの時はお願いします」 「じゃあ彼女を起こすよ」 柏木は佐那に声をかけた。佐那がゆっくり目を開ける。 「私、眠ってたの?」 「佐那さん、疲れがたまってるのよ。」 「・・・・」 「ごめん。佐那さん、彼女は僕の奥さんで麻衣子といいます」 「よろしくね。」 「はい・・・」 「疲れをとるお薬を出しておくね。しばらくは仕事もダメよ」 「え!でも・・・」 佐那は俺をみた。 「気を使ってくれてたんだろ?大丈夫。親父には俺から話をするから」 「・・」 「しばらくここにも通って。家の方から入ってもらっていいから」 「頼む」 その足で親父の家に向かった。 佐那を1人にしていつ記憶がもどるか分からない。 「親父、佐那を俺の部屋で横にならせてもいいか?」 「どうした?」 「ちょっと疲れがたまってるみたいで体調があまりよくないんだ」 「大丈夫だよ。私・・・」 「横にならなくてもいいよ。庭で犬たちと一緒にいてくれてもいい」 「じゃあそうする。」 佐那は庭にでていった。 「うかない顔してるな。快」 「・・・」 「どうした?」 「・・・しばらく佐那を休ませてもいいか?」 「ん?」 「昨日、桜咲尚人主催のパーティーに行ってきたんだ・・・」 俺は親父に昨日の出来事と病院での話をした。 「そんなこと・・・警察に・・・」 「いや、今事を荒立てたくない。佐那の記憶が戻ったら・・・どうなるか 分からない。」 「・・・・」 「あいつらもこれこれから何をしてくるか分からない」 「快・・・」 「俺が加奈と結婚すれば事が収まるんだったら・・・」 「快!お前何を言っているんだ。佐那さんをそんな簡単気持ちで この世界に引き込も引き込もうとしているのか!そんな気持ちなら ご両親へお返ししてきなさい。」 「簡単なんかじゃない!俺は佐那に会ってやっと1人の女を愛する事を 知った。佐那以外と結婚なんて・・・」 親父が俺の隣に座った。 「快。俺達で佐那さんを守ろう。しばらく2人で海外でも行ってこい。 お前の仕事は神野(じんの)に引き継いでおけ」 神野さんは俺の秘書でもあり、親父の秘書でもある。 「でも・・・」 「大丈夫だ。こっちの事は気にするな。佐那さんの事を最優先にしよう」 「・・・ありがとう・・・親父」 「お前に感謝されるとはな・・・」 親のありがたみも佐那との出会いで知った。 佐那は俺にとってなくてはならない存在だ。 「うちの別荘のどれかにいればいい。場所を決めたら神野に連絡して 準備をしてもらえ」 「はい」 そこに佐那が戻ってきた。 「佐那さん。私が急に仕事をさせたから無理をさせてしまったね」 「いいえとんでもないです」 「佐那さんにご褒美だよ。快も休みなく働いていて社員も休みにくい そうだから1ヶ月ほどうちの別荘で2人でのんびりしてくるといい」 「え?」 「だそうだ・・・海外だぞ。佐那パスポート持ってる?」 「一応・・・」 「ならいいな。後でHPで見てどこにするか決めようぜ!」 【佐那】 いつも優しい快が更に優しい気がする。 お父様も優しい。 1ヶ月も2人で海外になんて・・・・。 何かが・・・でも思い出せない。
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