episode 2

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episode 2

大丈夫といいながら、バーに着いたのは21時 「尚さん、ごめんなさい」 「平日、忙しいのにごめん・・・」 「今日は大丈夫だと思ったんだけど」 「忙しいの分かってて誘ったの俺だし」 「そう言ってもらえると助かる。尚さんもいつも忙しいっていってたから 分かってくれると思ってる。 「ああ・・・」 なんか歯切れ悪いなあ・・・。 「何かあったの?」 「・・・・いや・・・あのさ・・・結婚しようと思うんだ」 「え?」 急に?私の心の準備がーーーーー。でも仕事も続けたいしな。 尚さんは、何かを感じ取ったみたいで、 「違うんだ。佐那とじゃなくて・・・・」 「は?」 「実は彼女に子供が出来て・・・」 「彼女?」 「会社の後輩の子なんだけど、俺が仕事で大きなミスした時に励まして くれてそれから付き合うようになって・・・」 「まって、いつから?」 「3ヶ月?4か月前くらいかな。」 「連絡してくれたらよかったのに・・・」 「したよ。でも忙しいって電話切られたよ。」 3、4か月前はかなりの繁忙期だったな・・・。 そういえばいつからか会っても体を求められなくなった気がする。 ボー然とする私に更に追い打ちをかけてきた。 「彼女はさあ。平日も休日も俺が会いたい時に会えるんだよ。 佐那はさあ。強いから1人で生きていけると思うけど、彼女は 弱いから俺が守ってやりたいんだよ。」 はいきたーいつものセリフ「佐那は強いから1人で大丈夫」 「分かった。」 「そこはさあ泣くとこじゃない?」 「なんで?」 「捨てないでみたいな。佐那がなくなら愛人にしてもいいよ」 「何言ってるの?これから奥さんと子供が出来るんでしょ?」 「佐那はさ、連れて歩くとかっこがつくからさあ」 あまり深く考えなかったとはいえ、最低な奴だったんだなコイツ。 早くここから撤収しよう。 「私は強いから1人で大丈夫です。奥様と産まれてくるお子様と お幸せに」 「佐那?」 「未練はないので大丈夫。私、強いから」 どっかの主人公のセリフだな。 私は笑顔で店を後にした。でもあのお店は好きだからまた飲みに行こう。
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