episode 20

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episode 20

私達はモルディブに行くことになった。 別荘には私達しかいなくて、用事があれば連絡して対応してもらうように なっている。 私達を知っている人が誰もいないからリラックスできる気がする。 「1ヶ月もいいのかな・・・みんなお仕事してるのに・・・」 「いいんだよ。親父がいってるんだから、婚前旅行だよ! せっかくだから楽しもうぜ」 「うん・・・」 「なんだよ。佐那は俺と24時間1ヶ月一緒にいるのは嫌なのか?」 「そんなことはないけど・・・」 「けど?何?」 快のご機嫌がななめになってきちゃったな。 こんなときは! 快を後ろから抱きしめた。 「快と一緒にいられて嬉しいよ。ごめんね。」 「素直に喜べばいいんだよーー」 まんざらでもない様子で私の手を握ってくれる。 よし!機嫌直った! せっかくだから楽しむことにしよう。 【快】 佐那と一緒にいるのは嬉しいし、楽しいけどいつ記憶が戻ってしまうのか 気にもなる。 ここにはさすがにあいつらも来ないはずだからとにかくリラックスして もらえればいい。 もし思い出しても俺は支えてあげられる。 【桜咲】 「いい女だったな。」 「でしたね。」 「豊島にはもったいないなあ。」 「お兄様、最近 快を見ない気がするんだけど何か知ってる?」 「さあ。あの女と一緒にいるんじゃないか?俺たちにまたやられたら 大変だからな」 「お兄様たちはいい思いしたのかもしれないけど、私には何もいいことは ないじゃない!」 「そんなことはないぞ加奈。あの女のは豊島に申し訳ないと思うはずだし 豊島も俺のせいでと思っているはず。そんな2人の答えは別れだよ」 「そんなにうまくいくかしら・・・」 それから・・・快の会社に行っても快はいないし、どこで何をしてるか 教えてくれない。 「ホントにどこにいるの!」 「加奈。落ち着いて。仕方ないなあ。調べさせるから待ってろ」 1週間後に快の居場所が判明した。 「モルディブ?」 「らしいよ。あの後すぐに発ったらしい」 「2人で?」 「そうだろうな。ただ居場所の詳細はまだつかめてないらしい」 「もう・・・作戦失敗じゃないのー。」 「そんなことはないはずだ。何かあって俺達から距離をおいたんだろ」 「またやられないためでしょ?」 「それならわざわざ海外になくてもいいだろ?」 「そうだけど・・・どうするの?」 「そうだな・・・行っちゃうか?」 「いく!」 そうして私達はモルディブに向かった。
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