episode 3

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episode 3

本当だったら今頃は尚さんと過ごしている週末。 何もする気なし!いつもの私はおしゃれしてメイクして戦闘準備で外に 出ていく。 週末もしかりで、デートの時も戦闘準備は怠らない。 その分、家に帰るとすっぴんでグータラしてしまう。 ここには男の人は来てない。あーー2人だけいた。弟と弟の親友であり私の幼馴染でもある、大崎泰司(おおさきたいじ)は、終電に乗り遅れたとかで 家にやってくることがある。 この2人は私の素を知っている。 今までつきあってきた人たちには見せた事のない私。この私を見せられる人としか結婚とか無理だなあ。 久しぶりに2日間ボーッとしよう。 と思ったら電話が鳴る。 「もしもし」 「姉貴?」 「瑠衣かあ。何?」 「今どこ?」 「家にいるけど?」 「今日はデートじゃないの?」 「うるさい!」 「ふられたなあ。よかった。じゃあさ今から行ってもいい?」 「よくないよ。何しにくるんだよ。」 「泰司と論文書きにいく」 「図書館行きなよ。」 「面倒だからヤダ」 「・・・・」 「差し入れもってくからさあ。ね?」 「しょうがないなあ。」 「泰司、OKだって。じゃあ買い物してから行くから」 部屋を片付けなきゃ・・・にはならないほど私の部屋には物が少ない。 お掃除ロボットくんが毎日お掃除してくれてるから、いつでも人は受け入れ られる。 あの2人が来たら一気に部屋があれるので、帰るときには必ず掃除をさせるようにしている。 実家は近いけど仕事の帰りが遅いのもあるから駅近のマンションで 一人暮らしをしている。 しばらくしてインターホンが鳴り、モニターに瑠衣と泰司のアップが映る。 私は何も言わず自動ドアを開けて、そのついでに玄関の鍵も開けておく。 すぐに、玄関があき一気に家がうるさくなる。 「おじゃましまーす。はいこれ差し入れ!」 瑠衣にピザの入った袋を渡される。 「こんなにいっぱい食べれないよ。」 「大丈夫だよ。俺たち結構いる予定だから。」 「はーーー早く帰ってよーーー」 「どうせどこにもいかないんだろ?姉貴は部屋でゴロゴロしてなよ」 「そうそう。佐那、また男に振られたらしいじゃん」 「うるさい泰司。6つも年上を呼び捨てするな」 「べつにいいじゃん。小さい頃からずっとなんだからさ」 「とにかく。汚くしないでよね。私は部屋にいるから」 「OK」 撮りためたTV録画をみていたらいつの間にか寝ていたみたい。 目が覚めたら真っ暗な部屋でTVだけが光っていた。 こんなに寝たの久しぶりだな。 「おはよーっていうかまだいたの・・・」 「もう夕方だよ姉貴」 「なんかいい匂いする」 「泰司が飯作ってくれてる」 「うそーーー泰司、ご飯作れるんだっけ?」 「まあね。てか佐那さー最近SEXしてる?」 「は?なによ急に」 「肌に潤いがないよ」 「そんなはずないよ。いい化粧品使って毎日ケアしてるんだから」 「男のエキスが足りてないんだよ。大事なんだよSEXて」 「ちょっとやめてよ。何で泰司なんかに説教されなきゃなの」 「俺が当てしてあげよっか?」 「余計なお世話。男には不自由してません。」 「変な男にだろ?」 「・・・」 言い返せない・・・。 「できた!飯食おうぜ!」 流れでご飯を食べる。私はもちろんお酒を飲む。 「俺も飲もうかな・・・瑠衣も飲むか?」 「いいや。俺はこれから茉奈ちゃんとデートだからもう行く」 「でたーーー茉奈ちゃん」 茉奈ちゃん(まなちゃん)は最近出来たらしい瑠衣の彼女だ。 大学の後輩らしくてかなりかわいいらしい」 「ハイハイごちそうさま」 「しょうがないから、佐那の相手は俺がしてやるから」 「結構です。早くあんたも帰んなさいよ」 「いいじゃん。どうせ暇なんだろ。俺が飯作ってやったんだから」 「それを言われたら・・・しかたないなあ」 「話まとまった?じゃあ俺はデートに行ってくるから」 と瑠衣は部屋を出て行った。 「さて、俺もなんかもらおっと。」 と冷蔵庫からビールを持ってきた。 「佐那の失恋にカンパーイ」 と私の缶ビールに自分の缶ビールを当てた。 「うるさいよ」 「で、今回はなんでふられたわけ?」 「子供ができたんだって彼女に」 「ふーん。へ?彼女って佐那じゃないの?」 「会社の後輩の子なんだって、向こうは平日もあってくれてか弱くて 尚くんが守ってあげなきゃいけないんだって。」 「でたーーー子供は衝撃だけど、いつものお前は強いからのやつじゃん」 「だからうるさいってば」 「佐那も鎧を脱げばか弱い女の子なのになあ」 「だーかーらー6つも年下のお前がいうなってーの」 「歳って関係ある?俺と付き合ってみる?」 「ヤダ。年下には興味ないってか泰司は対象にはならない」 「はーーー何言ってくれてんの。俺だってモテるんだよ」 「知ってるよそんなの中学のころから見てんだから」 我が弟の瑠衣もこの泰司もいわゆるイケメンというやつで中学校から2人は 仲良くなったみたいでよくうちに入り浸っていた。 女子が遊びにきたりしてモテているのは知ってる。 今も2人は大学でモテているらしいが、なぜか泰司は彼女を作っていない。 「あんたは彼女作らないの?」 「女は面倒だからな。」 「すみませんね、面倒で」 「佐那ならいいよ。面倒みてやる」 「しつこい、いいってば」 「佐那は俺を子供だと思ってんだろ!」 「だって6つもしたじゃん」 「そんなの関係ないって!」 急に泰司が大きな声を出してくるからびっくりした。 「何よ・・・」 「佐那が悪いんだろーが」 「は??なんでよ」 「もういいよ」 そのまま泰司は機嫌が悪いけど、食器はきちんと洗ってくれて 部屋の片付けもしてくれた。 「帰るから。」 と帰っていった。 今日の泰司は変だった。
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