episode 4

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episode 4

結局、日曜日もボーっと過ごしてしまった。 丸2日間も素でいてそれがあまりにも楽過ぎて、明日から仕事に行けるか 一瞬心配になった。 が、月曜日になって朝起きてメイクして着替えると、そこはスイッチが ONになって戦いモードに入る。 「よし、今日もがんばりましょう!」 とオフィスに向かう。 「佐那さん、おはようございます」 「おはよー」 「柳、ちょっといい?」 急に部長に呼ばれる。 「なんですか?」 「社長室にいってくれるか?」 「社長室?なんでですか?」 「よくわからんが、柳を連れてくるようにと・・・」 「はあ」 わけのわからないまま私は、社長室に行く。 コンコン 「柳ですが」 「どうぞ」 「失礼します」 社長室に入ると、社長と見たことのない男の人が部屋にいた。 「急に呼び出して申し訳ない」 「いいえ」 「座ってください」 「ありがとうございます」 私は2人の前に座る。 「話と言うのは、柳さんお見合いをしてくれないか?」 「え??」 「見合い相手はうちの息子なんだが、仕事ばかりしてまったく女っ気が なくて心配していたんだ。そんなときにここで君にお会いしてぜひうちの 息子にと思って園田社長に相談したんだよ」 「はあ。」 「自己紹介がまだだったね。私は豊島と申します」 「豊島・・・」 「そう、TOYOの社長さんだよ」 TOYOとは、アパレルやらITやらで有名な会社だ。 「そんな大きな会社の息子さんなんて私には勿体ないです。うちは一般家庭 ですし、釣り合いませんよ」 社長の妻なんて面倒なのが考えなくても分かる。 「お相手の人柄とうちの息子が愛した人なら問題ありません」 「息子さんに愛されるかどうかは分かりません。」 「お見合いをしてもらえるかい?」 「お会いはしますが、気に入ってもらえるかはわかりませんし、私がお断りするかもしれませんがよろしいですか?」 「かまわないよ」 「ただ少しお時間をいただけませんか?これから仕事が忙しい時期になりますので」 「そうだな・・・。では1ヶ月後ということでいいかな」 「分かりました。では、失礼します。」 社長室を後にする。疲れたーーーーお見合いか・・・それもいいかもね。 と自分のオフィスに戻るとみんなが心配そうに私をみていた。 「佐那さん、どうでした?」 「どうってなに?なんでもないよ。頑張ってるなって褒められただけ」 「なんだーー秘書課に異動?とかみんなで心配してたんですよ?」 「そんなことないない。さて仕事しよ!」 と今週も怒涛の一週間だった。 金曜日の今日は何となく一人で飲みたくなって、たまたま目に入ったお店に入った。 「いらっしゃいませ」 そこはステキな雰囲気のバーだった。 「初めてなんですけどいいですか?」 「もちろんです。どうぞ、何を飲まれますか?」 「そうだな・・・ちょっと疲れているので、癒してくれそうなカクテル をお任せで作ってもらってもいいですか?」 「はい。苦手なものはありますか?」 「酸っぱい系はちょっと苦手です」 「分かりました。」 とシルバーヘアーの笑顔の素敵なバーテンダーさんが慣れた手つきで シェイカーを振る。 「おまたせしました」 紫色のラベンダーをイメージするようなステキなカクテル。 「甘くておいしいです」 「よかったです」 ここ最近の疲れやイライラが爆発してしまい、どんどん飲み続けた。 「お客様、そろそろおやめになったほうが・・・」 「もう・・男なんてうんざり・・・私は強くない・・・」 「お水にしましょう」 とバーテンダーさんがお水を出してくれた。そのお水を飲み干して。 「帰ります。」 と私は店を後にした。 <ここから記憶のない状況> フラフラと街を歩いていると、 「お姉さん、足元ふらついてるけど大丈夫?俺らとどっかに休みに行く?」 「いかなーい」 「そんなこといわないでさー。ねえー」 と気づけば若者らしき3人くらいに囲まれた。しばらくSEXもしてないしもうなんでもいっかっと流れに身を任せようとしたら、急に肩を抱かれた。 「彼女は私の連れなんだが、何かようかな?」 とその人がいうと若者3人はその場を立ち去った。 「大丈夫か?」 「あなた誰?」 「俺か・・・快(かい)・」 「かい。助けてくれてありがとう」 「危ないから、送る」 「大丈夫デース。」 といいながら私はふらついてしまい、その人に支えられた。 「家はどこだ?」 「まだ帰りたくなーい」 「じゃあ。俺のところに飲みにくるか?」 「いきまーす」 さっきの若者よりはいっか。今日は1人になりたくなかった。 なぜかその人についていってしまった。 タクシーに乗って、しばらくして意識がなかった。 気が付いたら、ベットの中だった。 「ここ・・どこ・・・」 「起きたか?タクシーで寝たんだ。飲むなら向こうに準備してるが」 「飲みます」 とベットルームを出ると目の前には夜景が広がっていた。 「ここ・・・」 「俺の家だけど?まずかった?」 「いえ・・・」 高級マンションの上の方の階だよね・・・。この人何してる人なんだろ? でもまいっか。楽しく飲めれば! 「お前名前は?」 「佐那でーす。27歳でーす。」 「俺は名前は名乗ったな。歳は35だ。」 「おじさんじゃん」 「うるさいな。見た目とは違って素は乱暴だな」 「失礼ね。そっちが勝手に私にイメージつけてくるんじゃん。 おしとやかとか静かとかさあ。仕事が忙しくて平日あえなくてもいいじゃん。 いつもさーーお前は強いから大丈夫って私の事捨てて・・・告白してきたのは そっちなのに・・・いっつも振られるのは私・・・。 尚くんだって・・浮気して子供出来て結婚するって急にいうしーーー 彼女は弱くて俺が守ってやらないとだって・・・私だって弱いところは あるんだっつーの」 「はいはい。聞いてやるから、お前は頑張ってるんだな」 「お前じゃない。さーな」 「佐那は頑張り屋だな。誰かに甘えたかったんだな」 優しく言葉をかけてくれたから一気に涙がこぼれてきた。 「わーーーーーーん。」 よしよしとその人は私の頭をポンポンする。 恋愛してこんな心地いいことは初めてだった。 「佐那・・・かわいいな。お前」 と快は私の顔を自分の方に向けて、唇を重ねてきた。 快のキスは嫌じゃなかった。もっとして欲しいと思ってしまった。 「もっと・・・して?」 「煽んなよ。キスだけじゃすまなくなる」 「いいよ・・・」 「初めて会った男だぞ?」 「いつもだったら絶対にこんなことしない。なんだろう快とはこのまま 終わりたくない・・・」 と私は自分から快を抱きしめた。 「佐那・・・もう後戻りできないぞ」 と快は私の後頭部を抑えて熱いキスをくれた。 息つぎが出来ないくらい濃厚な口づけが繰り返される。 「か・・い」 あまりにも気持ちよくて立っていられなくなる。 膝から落ちていく私を支えて、抱き上げるとさっき寝ていたベットルームへ 連れていかれる。 酔っているからいつもより感度がよいのか、快が上手なのか分からないけど 自分ではどうにもできないくらい感じてしまう。 初めてあった人とこんなこと・・・。一瞬現実に戻ってきた。 快はそれを見逃さなかった。 「佐那、今別のこと考えただろ?」 私は黙って首を振る。 「俺としてる時は俺の事だけ考えろ。快感に身を任せろ」 と更に私を攻め立てる。 「や・・・・だ・・・・や・・・ん・・・」 勝手に出る声。私ってHの時こんんだっけ・・・その前に最後にいつした? 気が付けばすべて脱がされていて次から次へと体の隅々までキスを落とされる。 ちょっと触られるだけで体が快感でビクビクしている。 「かい・・・かい・・もう・・・」 体は快を待ち望んでいる。 「そんなに俺が欲しいの?佐那」 「・・お・・ねが・・い・・・」 「かわいいな。佐那は。しょうがないな」 と快が私の中にゆっくりとやってくる。 「きついな・・・」 「最後に・・・いつしたか・・忘れた・・・」 「マジか。こんなにきれいな体ほっとくなんて、バカな男だな。 辛いかもしれないけど大丈夫か?」 「う・・・ん」 快は私の体を気遣ってくれた。 久しぶりの感触で体はビックリしながらも、快感に溺れていく。 声がかすれるくらい喘ぎ、啼き、快に抱きしめながらだんだんと意識が 遠のいていった。
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