episode 9

1/1
1002人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ

episode 9

木曜日。仕事から帰ると部屋に明かりがついていた。 部屋に行くと、瑠衣がいた。 「おかえり」 「なんでいるのよ」 「飲み会でさー。帰るの面倒になってさー」 「あっそ。勝手にしてて。お風呂行ってくるわ」 「-----」 瑠衣がなんかいってたけど、まあいっかとバスルームに行って服を脱ぐ。 まだキスマークは体に残っている。 快の事を考えていたら 「佐那、男が出来たの?」 と後ろから声がして振り返ったら、上半身裸の泰司がいた。 「あんたなんで?」 急いでタオルで体を覆う。 「俺も瑠衣と一緒に飲んでて風呂借りてた」 「鍵しといてよ」 「・・・男いんの?」 「泰司には関係ないでしょ?」 「俺にしなっていってんじゃん」 「アンタの冗談につきあってられないの」 と私はお風呂の扉を開けて中に入ろうとしたら 腕を掴まれて泰司の方に引っ張られた。 「ちょっと・・・何よ!」 「うるさいんだよ。」 そういうと私の唇を奪った。一瞬、なにがおこっているか分からず だったが泰司の手が私のに触れてきて我に返る。 唇をふさがれているから声を出すことができず、泰司の胸を押そうと したが動かない。 タオルが体から離れて私の胸に泰司が触れる。 唇が離れた瞬間に、私はお風呂場に逃げた。 泰司が追ってくる。 「来ないで!なんでこんなことするの!」 「佐那が俺の事、男だと思ってねえからだよ」 「泰司は瑠衣の友達で、弟だよ」 「俺は佐那を姉貴なんて思ってねえよ。俺は佐那が好きなんだ。」 と壁に私を追い込んだ。 私は泰司の手を振り払おうとしたけどその手を掴まれて両手の自由を 奪われた。 「やめて・・・お願い・・」 「その体中のキスマークなんだよ」 「泰司には・・関係・・ない・・」 「なんなんだよ。」 と私の唇を再び奪う。息もさせてもらえないほどのキス。 立っていられなくなりそうになる。 その時、 「泰司?」 と瑠衣が泰司を探す声がして、泰司は私から離れた。 私はその場に座りこむ。 「俺、マジだから。男いようが関係ないから」 「私・・・明日・・・お見合いするから・・・」 「は?そんなの俺には関係ない」 とバスルームから出て行った。 泰司が私を好きって・・・考えたこともなかった。 私はシャワーを浴びて、リビングに戻ると瑠衣だけがいた。 「泰司、明日用事があったの思い出しから帰った」 「そ・・う・・」 内心ほっとした。 「明日、ちゃんとロックして帰ってね」 「OK」 「私、明日お見合いするんだ」 「え??」 「会社の社長からの紹介でね」 「結婚すんの?」 「それもいいかもね」 「まあ俺はねーちゃんが幸せだったらいいけど」 「お母さんたちには言わないで。変に期待されても困るから。 じゃあ先に寝るね。」 と私は自分の部屋のベットに転がる。 快のこと、お見合いのこと、泰司のこと・・・・を考えながら眠りについた。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!