第一部第一章  魔法使いと少女と胸の中の小さな希望 1

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  院長先生とは、五十代位の年齢で孤児院の代表責任者であるシスター。  アグネス・マグダレーヌの事である。  孤児院の創始者の娘だと聞いていた。  痩せ型で温和な微笑みを絶やさない。  そして親しみやすい性格から孤児達に院長先生の名前で慕われている。  しかし、王都の魔術学院の院長などという大きな機関の院長と姉妹だとは初耳であった。 「私は、院長先生や、魔術学院にいらっしゃる先生のお姉様とも幼い頃から親しくて…  魔術学院の院長、マリア・マグダレーヌ様は私にとっても姉のような方なの。   マリア先生は、若い頃から魔法の才能がおありだった。  それを魔法の才能と呼ぶことを誰もが気付かなかった。 だけどマリア先生が十五歳のある日。  後にお師匠になる方に見出され、マリア先生は魔導師の勉強を始められた。」  すごく幸運な人だなぁ…。 自分でどこかへ行かなくても、見つけて教えて貰えるなんて。  そんな事を考えながら、黙ったまま頷く。 「そして東の隣国ウィードとの戦が始まった。 当時、王立魔導院に勤めていらっしゃったマリア先生は既に数多の魔法を修めていたけど、戦から前線に加わる事になった。  我が国は、魔導師は徴兵(ちょうへい)の義務を負う。  兵士になるのよ、戦力になるからね。」 「えっ…!兵士?」
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