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誠
「わざわざ俺とやる為に会いにきたんだよ。俺たちの家ちょっと複雑で断りづらくてやっちゃった」
「従兄弟とやる方が複雑じゃない?」
「それもそうなんだけどさ。今更じゃん」
「相性良いんだろ?女でも合う子合わない子って多少あるしょ。向こうは辰巳がよっぽど好みなんだろうし」
「あいつもそんな事言ってた。でも前俺は痛くて男無理って思ったはずなんだ」
「それか従兄弟が単純に上手くなったとか?ポイントわかってる奴なら大体の相手は気持ち良くさせられると思う」
やっぱりそうなのかな。
俺の知らない間にゆずもかなり経験を積んだんだろう。
「その従兄弟とこれからどうするの?」
「俺とセフレになりたいんだって」
「良いんじゃない?結構いるよ。兄貴とか近い人とやってる奴ら。そのうち俺も掘ってよ」
「俺掘られてるんだけど」
「掘る方もチャレンジしてみたら?俺は受けって決めてるから」
「なんでお前の為にそんなチャレンジしなきゃいけないんだって」
「女にはできるのに男にはできない事ないだろ。辰巳の顔結構好みなんだよ。あと20年くらいしたら絶対いい感じになる」
「その頃にはお前もオヤジだけどな」
誠は俺に対しては大っぴらになんでも話す。
だから俺も誠には遠慮なく話せる。
会話の雰囲気に反し彼は小柄で肌は白いし清潔感のある見た目をしている。
白いシャツに黒いエプロンをしてこのカウンターに立つのもよく似合っていた。
自分を抱けっていうのはどこまで本気か知らないが、恋人もいる様だし多分冗談だ。
そう思いたい。
その後も下品な話で散々笑って誠は帰っていった。
カウンターを拭きながら思う。
そういえばどうして俺が受けなんだろう?
ああ、ゆずが俺に入れたいからか。
だからって俺がゆずに入れたいかと言えば答えはNOだ。
そもそもゆずとのことがなければ受け攻め関係なく男とやらない。
しかし俺がゲイでも親戚は避けた気がする。
何も生み出さないからいいって問題なんだろうか。
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