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1月23日だと思う
会社の若い連中と飲みに行った。
会社の悪口と愚痴があらかた出揃い、日本酒がテーブルに登場したあたりで最近聞いている音楽の話になる。
最近、と言われても正直僕の音楽チャートは2000年代前半あたりで止まっているので、ポルノグラフィティとバンプが僕の最新だと彼らに言う。
女性社員どもは森進一の息子がどうだとか言っているが藤圭子の娘くらいしか僕にはわからない。
ひとしきり小馬鹿にされたので、奴らの罵詈雑言を真摯に受け止めたあと、全員今度呪っておいてやると皆に告げた。
たぶん呪いはパワハラにはならない。
ならないハズだ、たぶん。たぶん大丈夫。
たぶん大丈夫だけど人事部とかには是非黙っていてほしい。
その後皆でカラオケに行こうという流れになる。
歌うのは嫌いじゃないし、まぁ構わない。
こっちも大分と酔っているし。
むしろ歌いたい。俺の歌を聞け。
でもそういう音楽の世代が違う輩とカラオケに行くと、中々に戸惑う。聴いたことはあるけど何の思い入れも無い歌が延々と流れ、こっちも酔っているし黙っているのも悪いので適当に悪ノリしてハシャいで誤魔化すけども、バラードなんかを歌われるともうどう振る舞っていいかがわからない。ハシャげない。僕の力ではバラードが醸し出すあの唐突な重圧感には太刀打ち出来ない。
思い入れのない歌で何を感じ入ってしんみりすればいいのか本当にわからない。
これいい曲なんですよ、とか言われても君の歌唱力じゃ10分の1も魅力は伝わってこないし、歌い終わった後なんか妙な間が流れるんだよ皆の間に確実に。
基本的には好きな歌を歌えばいいと思うけど、頼むから有名どころではないバラードだけは歌わないでくれ、お互いのために。
なのでもうそういう集まりの時はどこかで井上陽水をぶっこんでやると決めている。
奴らが僕の知らない歌を歌って悦に入っている以上、僕も奴らの知らない歌を歌って悦に入るのは道理。5分でいい。5分でいいから僕だけの時間をくれと僕は氷の世界に突入するのだ。
でもそれなりに笑ってくれるから、井上陽水って好き。上の世代も聞き覚えあるのだろうから万能感が凄い。あと単純に井上陽水が好き。
ひとしきり奴らのヒットチャートが流れ終わると誰かが大抵懐メロの流れを作り始める。
そういう奴は評価したい。
もし僕に権力があれば必ず君を出世させてあげるんだけど、残念ながら僕には権力がないのでもう少し出世はお預けだ、すまんな。
そして僕のテンションは天を突く。
90年代最高。
お前ら全員俺の歌を聞け。
お前らの好きな歌なんか覚える気は毛頭無いので、とにかく俺に歌わせろ。
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