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ー5-
仕事を終えて家へと戻ってきた。部屋に入るとコンビニで買ったタバコをゴミ箱に投げ込んだ。あれから会社で何度か吸ってはみたが何も感じられなかったのだ。
ポケットからSを取り出して中を見ると4本しか残っていない。私はため息をついて床に無造作に投げた。服を脱ぎ、洗濯機に投げ入れると汗で気持ちの悪い体をシャワーで洗い流した。
正直このままSが切れてしまうとまたあの鬱陶しい羽虫に悩まされる羽目になってしまう。だが、あの高級品を買っていては給料がそれだけで消えてしまう。あの眼科も信用ならないのだから、いったいどうすべきかわからなくなっていた。
シャワーを済ませ着替えると冷蔵庫からビールとつまみのあたりめを取り出して一息ついた。
とにかく今日はこのまま飲んで酔っ払って寝てしまおうと考えた。そうすればとりあえず夜の間はSを吸うことは無いだろう。
私はひたすら酒を飲み続けた。ただただ問題を先延ばしにしているだけなのは理解している。
「もうわからん……」
私は缶ビールを一気に飲み干した。
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