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空は白み出しているようだ。既に視界は蠢く羽虫に遮られ前はろくに見えなくなっていた。探し回ってもあのタバコは見つからなかった。
こんな目では仕事どころか日常生活を送ることすら難しい。当てもなく彷徨い、誰かに止められるのを待つなだろうか?そもそも、その瞬間まで生きていられるのだろうか。
今どこにいるのか分からなくない。頭もガンガンと痛み、次第に情緒が乱れていく。耳には不快な羽音が響き渡り、外部の音は一切聞こえなくなった。
ただ、足は前畑で続けている。
突然体が宙に浮いたような感覚になった。身体中が痛み、意識が朦朧とする。
何がどうなったかもわからぬまま私はそのまま意識を失った。
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